2020年3月から世界中であふれだしたマネーが株式市場へと向う。 最初になだれ込んだ
のが「ワクチン銘柄」であり、例外なく「猫番長も巻き込まれる事件」が発生した。本書
は、最初から最後まで話題が途切れず、多岐に渡って「わくわく」感で満たされるのであ
るが、一番訴えたかったのは、おそらく”そのこと”だろう。
では、「猫番長も巻き込まれた事件」とは何か。
猫組長は「(株)NEKO PARTNERS」のCEOを務めており、その業務提携先の一つが「ゴ
ールドマンサックス出身」のX氏が代表取締役を務める「(株)ブルーオーシャン・アソシ
エイト」だ。
「(株)NEKO PARTNERS」は会員向けネットLIVEで推奨銘柄を伝えているが、2020年
4月26 日のLIVEではX氏がコロナ関連銘柄として4社の候補を挙げ、その1社としてテラ
社を推奨した。
X氏は「テラ社が東大医科学研究所と新型コロナウイルスワクチンの共同研究を行うこ
と、メキシコで臨床試験を予定していること、そのIR発表を翌27日に行うこと」を猫
組長に伝えた。
実際に、X氏は内々に伝えていた情報どおりに、27日にテラ社は、「セネジェニックス
・ジャパン」との間で、COVID‐19肺炎に対する間葉系幹細胞を用いた治療法の開発
に関する共同研究契約を締結し、新型 コロナウィルス感染症(COVID‐19)に有効な
新薬の開発に係る事業を新たに開始することを決議し、臨床開発のサポート及び研究費の
負担等を行う」旨のIR発信を行っている。
そうなると、テラ社とはどういう企業か、気になるところだ。テラ社は、医師で東京大学
医科学研究所の研究員も務めていた矢崎雄一郎氏が創業した医療ベンチャーである。
テラ社の業績は2019年12月期で売上高2億円に対して当期損失が10億円と、上場こそし
ているものの、「ハコ企業」である。ところが2020年4月以降のテラ社株の動きを見ると、
4月6日ころから仕込みが始まり、同月13日から一気に買い集められ、120円程度で集めた
株が、1ヵ月程度で5倍以上になったのだから大儲けだという。
「2020年の4月6日からの仕込み」と「2020年4月26 日のLIVE」との時間的接着性、な
んだか怪しげな雰囲気が・・・、そう、“そこ”には、「二つの違法性」があるのだ。
Xの会社は業務提携の関係にある。相対取引の話を聞く前に、猫組長はLIVEで会員にテラ
社株を推奨していることで「利益相反行為」の可能性があることと――、概要書からX氏
が売却しようとするテラ社株はセネ社が保有するものであり、X氏はセネ社から依頼を受
け、テラ社株の売却を進めていた。その上で、X氏自身もテラ社株を大量に買って いる。
猫組長はテラ社、セネ社のどちらからも直接内部情報を得てはいないが、情報を提供した
X氏の仲介で、猫組長がセネ社と取引すれば、「インサイダー取引」となる。
至極当然であるが、「マネ-による暴力」から、猫組長のように、きっぱり断れるでしょ
うか。
さらに、もう一つ、これに関連して興味引くことがある。テラ社の共同研究相手である
「セネ社」が運営事務局を務める「国際新型コロナウイルス細胞治療研究会」が発足して
いるが、発起人に元総理の「鳩山由紀夫」氏と、元大統領の「バラク・オバマ」氏が名を
連ねていることは見逃せない。
「へその緒などから作られる幹細胞がコロナの重篤な患者に効果があることを国際的に研
究して、早期に治療法を開発したい」とも鳩山氏は述べているが、発言内容はともかく、
この「組み合わせ自体」が、どことなく「国際資本」を匂わせている。
鳩山ツイッターとの関連で「詐欺」と主張するも、不可解な「怪事件」もある。是非とも、
本書で確認されたし。
今や、コロナ過で「黒い経済」が蔓延っている――、世界は、「暴力には暴力」の同一地
平で起こっている。国家暴力を効率的に行使できる「独裁制」が再評価される岐路にある
が、資本主義陣営だって、新自由主義の下、コロナ過での搾取は止むことはない。
ロビンフッダーたちは一部のヘッジファンドに損失を負わせたが、その裏側では大もうけ
をしたHFTヘッジファンドがいた。はたしてこのことを自覚していたロビンフッダーが 何
人いたのか――「金融の民主化」を掲げてはじまったロビンフッドは、その裏側で金融の
収益を寡占化しているHFTヘッジファンドからのキックバックで儲けている。「どっちに
転んでも儲かる」――、「国際資本」の底力を自覚すべきであるまいか。
我々は、常に「つけ込まれる危機」に直面している。「FIREムーブメント」に向かう心理
の正体は「資産形成」という「投資心理」ではく、「早く労働から逃れたい」という「逃
避心理」である。
「暴力とマネー」の世界は徹底したリアリズムに支配された世界――、日本の「FIREムー
ブメント」は、 欧米に追従することだけが最先端を行くことだと「はき違えた人たち」
による、哀れにも滑稽な「高い意識の空回り」に振り回されているのである。
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カルト化するマネーの新世界 元経済ヤクザが明かす「黒い経済」のニューノーマル (講談社+α新書) Kindle版
仮想通貨暴騰もFIREムーブメントも、すべて「カルト」である!
新型コロナウイルスは、投資の条件たる「信用創造」を突き崩す究極の「暴力」だった。
「黒い経済界」の元住民たる著者によれば、実体経済の停滞により、マネーロンダリングも停滞。先進国の「黒い経済」の担い手たちは退潮し、新たなアクターの台頭が見られるという(例えば武器・麻薬取引を新たに牽引するアフリカン・マフィアたち)。また、投資の世界への新参者を喰い物にする「カルト」とも呼べる現象が蔓延しているというのだ(例えば仮想通貨暴騰やFIREムーブメント)。
本書では、マネーの表と裏を知り尽くした著者が、新型コロナという究極の「暴力」の発生を受けて様変わりする国際金融ならびに投資の世界の実態を明らかにする。アメリカと中国による「暴力」の応酬のはざまで、そして新興「カルト」が浸蝕を始めたマーケットで、日本の〈投資家たちの取るべき態度〉とはどのようなものか? そして〈本当の資産形成〉とは?
[主な内容]
はじめに
第1章 コロナ禍と「マネー・カルト」
第2章 資産形成の「奴隷」
第3章 “黒い”コロナミクス
第4章 コロナ禍の「地下経済」
第5章 「王道の投資」と資産形成
第6章 アフター・コロナに訪れる「国家暴力の時代」
おわりに
新型コロナウイルスは、投資の条件たる「信用創造」を突き崩す究極の「暴力」だった。
「黒い経済界」の元住民たる著者によれば、実体経済の停滞により、マネーロンダリングも停滞。先進国の「黒い経済」の担い手たちは退潮し、新たなアクターの台頭が見られるという(例えば武器・麻薬取引を新たに牽引するアフリカン・マフィアたち)。また、投資の世界への新参者を喰い物にする「カルト」とも呼べる現象が蔓延しているというのだ(例えば仮想通貨暴騰やFIREムーブメント)。
本書では、マネーの表と裏を知り尽くした著者が、新型コロナという究極の「暴力」の発生を受けて様変わりする国際金融ならびに投資の世界の実態を明らかにする。アメリカと中国による「暴力」の応酬のはざまで、そして新興「カルト」が浸蝕を始めたマーケットで、日本の〈投資家たちの取るべき態度〉とはどのようなものか? そして〈本当の資産形成〉とは?
[主な内容]
はじめに
第1章 コロナ禍と「マネー・カルト」
第2章 資産形成の「奴隷」
第3章 “黒い”コロナミクス
第4章 コロナ禍の「地下経済」
第5章 「王道の投資」と資産形成
第6章 アフター・コロナに訪れる「国家暴力の時代」
おわりに
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2021/8/20
- ファイルサイズ7148 KB
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商品の説明
著者について
猫組長 (菅原潮)
1964年生まれ。兵庫県神戸市出身。元山口組系組長。評論家。大学中退後、不動産会社に入社し、のち投資顧問会社へ移籍。バブルの波に乗って順調に稼ぐも、バブル崩壊で大きな借金を抱える。この時、債権者の1人であった山口組系組長を頼ったことでヤクザ人生が始まり、インサイダー取引を経験。石油取引を通じて国際金融の知識とスキルを得る。現在は引退して執筆活動などを行う。著書に『ダークサイド投資術』(講談社+α新書)、『金融ダークサイド』(講談社)、『暴力が支配する一触即発の世界経済』(ビジネス社)、『アンダー・プロトコル』(徳間書店)など。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
1964年生まれ。兵庫県神戸市出身。元山口組系組長。評論家。大学中退後、不動産会社に入社し、のち投資顧問会社へ移籍。バブルの波に乗って順調に稼ぐも、バブル崩壊で大きな借金を抱える。この時、債権者の1人であった山口組系組長を頼ったことでヤクザ人生が始まり、インサイダー取引を経験。石油取引を通じて国際金融の知識とスキルを得る。現在は引退して執筆活動などを行う。著書に『ダークサイド投資術』(講談社+α新書)、『金融ダークサイド』(講談社)、『暴力が支配する一触即発の世界経済』(ビジネス社)、『アンダー・プロトコル』(徳間書店)など。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B09C895N3Y
- 出版社 : 講談社 (2021/8/20)
- 発売日 : 2021/8/20
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 7148 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 177ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 149,612位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 272位講談社+α新書
- - 18,993位ビジネス・経済 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年8月21日に日本でレビュー済み
レポート
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32人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2023年7月13日に日本でレビュー済み
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感染拡大防止の名目で政府による緊急事態宣言が発動された。建前上は私権制限はしてはならないないということで「自粛」という形になったが、多くの飲食店は事実上「私権の制限」をされたのだ。家畜化の進んだ日本人は従順に従うばかりだが、これは巧妙に隠された国家の「強権発動」だろう。結局最後は暴力なのだ。
米中新冷戦構造では日本がフロントラインとなる。暴力を保有しなければマネーが集まるどころか、日本からマネーが逃げていく事態になりかねない。ドルが世界の基軸通貨であることができるのは、ドルが世界最強のアメリカの軍事力で守られているため。
世界は「新型コロナ」「ロシアによるウクライナ侵攻」を経て新しい時代、新冷戦時代に突入した。
中国による台湾侵攻は「起こるのかどうか?」ではなく、「いつ起こるか?」と言われている。
日本も急いで軍備を増強しなければならないのではないのか?
優先順位は「戦闘機」「極超音速ミサイル」「戦闘ヘリ」「空母」あたりか?
さらには日本も「核兵器」を保有したほうがいいのではないか?
米中新冷戦構造では日本がフロントラインとなる。暴力を保有しなければマネーが集まるどころか、日本からマネーが逃げていく事態になりかねない。ドルが世界の基軸通貨であることができるのは、ドルが世界最強のアメリカの軍事力で守られているため。
世界は「新型コロナ」「ロシアによるウクライナ侵攻」を経て新しい時代、新冷戦時代に突入した。
中国による台湾侵攻は「起こるのかどうか?」ではなく、「いつ起こるか?」と言われている。
日本も急いで軍備を増強しなければならないのではないのか?
優先順位は「戦闘機」「極超音速ミサイル」「戦闘ヘリ」「空母」あたりか?
さらには日本も「核兵器」を保有したほうがいいのではないか?
2021年9月20日に日本でレビュー済み
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電車移動時に読みました。1時間くらいで読めます。
ああ、そうだなぁと思える話が書いてあり楽しい時間を過ごせました。
この方は元ヤクザですが、良い時期に辞めておられますし、物事を見極める選球眼があるのだと思います。
ああ、そうだなぁと思える話が書いてあり楽しい時間を過ごせました。
この方は元ヤクザですが、良い時期に辞めておられますし、物事を見極める選球眼があるのだと思います。
2021年9月5日に日本でレビュー済み
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猫組長の著作は数多く読んでいますが、今回はBitcoin、コロナ禍のとマネーについて書かれています。
自身の投資の判断とBitcoinへのスタンスは勉強になりました。
またコロナ禍に乗じた「ボンボンの2代目ドクター」が荒稼ぎした話は、これだけにとどまらず
「黒い医師」による同様の事例が、公表されていないだけで他にも多くあると思いました。
博学なのは結構ですが、金融に関して・また歴史に関しての件は、少し読みづらかったです。
最終章の国家による暴力についてと、野党やメディアによる味方は完全に同意です。
このような意見が日本のマジョリティとならない限り、日本の将来は暗澹たるままです
自身の投資の判断とBitcoinへのスタンスは勉強になりました。
またコロナ禍に乗じた「ボンボンの2代目ドクター」が荒稼ぎした話は、これだけにとどまらず
「黒い医師」による同様の事例が、公表されていないだけで他にも多くあると思いました。
博学なのは結構ですが、金融に関して・また歴史に関しての件は、少し読みづらかったです。
最終章の国家による暴力についてと、野党やメディアによる味方は完全に同意です。
このような意見が日本のマジョリティとならない限り、日本の将来は暗澹たるままです
2021年9月3日に日本でレビュー済み
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今後の世界状況を示唆する内容になっています。これからの金融リテラシーを学ぶには最適なバイブルになる本です。
2021年10月5日に日本でレビュー済み
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金融関係の報道をきちんと見ていれば知っている事ばかりでした。興味をそそるタイトルと、「元経済ヤクザ」という看板だけで売っているようです。最後に推している銘柄に言及していますが、その根拠もさることながら、そもそも今の時代新書で銘柄紹介しても…
2021年8月25日に日本でレビュー済み
ヤクザ社会は、信賞必罰が徹底し、暴力が横行している社会といえます。
その世界の荒波でもまれ実績を残した猫組長の発言、考え方には、
前面肯定とはいきませんが、なるほどと思わせることも少なくなくありません。
コロナ禍の現在、株価が順調なのは、
じゃぶじゃぶにあふれたマネーの結果だという事は明らかです。
そこで、これはチャンスとばかりに素人、初心者の株参入が急増しているようなのです。
しかし、投資というものはそんなに甘いものではないことは、
過去、バブルの崩壊、リーマン・ショックなどを体験している人はよくご存じの事と思います。
また、一部の人に人気の高い暗号資産ですが、
これは価値の裏付けのないもので、
例えばイーロン・マスクの発現で大きく値が上下したことからも、
一般庶民にとって安全な資産ではなく、将来性がなく投機的なものだという事がよくわかりました。
また、本書にも記述がありますが、コロナ禍で関連する色んな株が急騰しています。
しかし、テラ社の問題からもよくわかるように、
投資するうえで、真贋を極める目を持つことが重要です。
最後にマネーが集まる重要要素は暴力だ、はさすが元ヤクザの発想ですが、
確かに現実の一面を鋭くついています。
その世界の荒波でもまれ実績を残した猫組長の発言、考え方には、
前面肯定とはいきませんが、なるほどと思わせることも少なくなくありません。
コロナ禍の現在、株価が順調なのは、
じゃぶじゃぶにあふれたマネーの結果だという事は明らかです。
そこで、これはチャンスとばかりに素人、初心者の株参入が急増しているようなのです。
しかし、投資というものはそんなに甘いものではないことは、
過去、バブルの崩壊、リーマン・ショックなどを体験している人はよくご存じの事と思います。
また、一部の人に人気の高い暗号資産ですが、
これは価値の裏付けのないもので、
例えばイーロン・マスクの発現で大きく値が上下したことからも、
一般庶民にとって安全な資産ではなく、将来性がなく投機的なものだという事がよくわかりました。
また、本書にも記述がありますが、コロナ禍で関連する色んな株が急騰しています。
しかし、テラ社の問題からもよくわかるように、
投資するうえで、真贋を極める目を持つことが重要です。
最後にマネーが集まる重要要素は暴力だ、はさすが元ヤクザの発想ですが、
確かに現実の一面を鋭くついています。
2023年8月2日に日本でレビュー済み
どこかで読んだどこかで聞いた二次情報の集大成で、著者自身の考えは全く表明されていない