リレーエッセイのバトンを受け取りました。
井下綾(焚き火の達人と言われている人)です。
マナビダネでは焚き火体験などを中心に、アウトドア部門を担当しています。
私がアウトドアに目覚めたのは、「島唄」や「風になりたい」でお馴染みのロックバンド【THE BOOM】のベーシストである山川浩正さんにアウトドアの魅力やノウハウを教えて頂いてからです。
それまでは虫も嫌いでしたし、テントの中で寝袋に寝るだなんて絶対に無理と思っていた側の人間です。
ネイリストであり講師である私が、真逆の世界のアウトドアの世界にはまっていくのには時間は掛かりませんでした。
普段はサロンの中に閉じこもり、小さな爪というキャンバスに小さな世界を描いている職業です。
そこから大きな自然の中へと飛び出し、自分自身を自然の中に解放することで『究極のストレスフリー状態』と、いう幸福感を得られたのは驚きがたくさんありました。
意外かと思われるかもしれませんが、ネイリストにはキャンパーが実は多いのです。
それだけインドアからアウトドアへの振り幅は大きく、癒しと探求が共存しているのだと体感しています。
特に【焚き火】と、いうアクションはアウトドアの醍醐味なのではないでしょうか?
これは子どもたちも一緒。
タキビダネで焚き火を教えていると、新たな世界への驚きと探求心が芽生えていることを感じます。
「火をつけるにはどうしたら良いのかな?」
「燃えやすい薪になる植物は何だろう?」
「着火剤となる植物はあるのかな?」
「どのように薪を組んでいけば大きな火を作り上げることができるのだろう?」
と、回を重ねるごとに、自然の中に溶け込みながら自ら考えて行動を始めるように。
さらにはファイヤースターター(※1)を使って火を起こしたり、モーラナイフ(※2)を使って薪を割るといったキャンパーに近い技術を得たいという子も増えてきました。
また、焚き火には【1/f(エフぶんのいち)ゆらぎ】と呼ばれる、呼吸や心拍と同様なリズムがありリラックス効果が得られると言われています。
また薪が爆ぜる際に起きる「パチパチ」という音もにも【1/fゆらぎ】が含まれているので、焚き火を静かに見つめている子もいます。
「私ね。焚き火を眺めるのが好きなんだ。」と、静かに私の隣りに来て、一緒に焚き火を眺めながら自分の気持ちや様々なお話を聞かせてくれる子もいました。
これが【1/fゆらぎ】効果なんだと、改めて実感したエピソードです。
マナビダネは五感を使う【新しい形のフリースクール】だと、私は思っていますし、とても素敵な可能性を秘めているのではないかとワクワクしています。
また是非皆さんと焚き火の前でお会いできますことを願いつつ、ここでエッセイの筆を置かせて頂きます。
またね!
※1 マグネシウムやフェロセリウムなどの金属でできた棒(ロッド)とストライカーを使って火を起こす道具。
一般的な使い方は、ストライカーやナイフを使ってロッドを削り、火花を散らして着火させるというもの。
※2モーラナイフ
モーラナイフはスウェーデンのモーラ地方に工場を構える、ナイフ製造の老舗ブランド。
同ブランドのナイフはブランド名と同様に「モーラナイフ」と呼ばれる。