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1.高年齢者雇用開発コンテストの受賞企業事例(2)
2.両立支援等助成金(育児休業等支援コース)
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1.高年齢者雇用開発コンテストの受賞企業事例(2)
前月に引き続き、高年齢者雇用開発コンテスト受賞企業事例を紹介します。
東京都町田市の社会福祉法人合掌苑は、昭和35年創業され、特別養護老人ホームなどの高齢者施設を運営しています。職員数は594人、うち60歳以上は184人(30.9%)となっています。
最近のコンテストの受賞企業には、医療・介護事業者が多く含まれるようになっているように感じています。それだけ同事業における人手不足が深刻になっていることの表れだと思われます。特に東京都の介護事業所の求人倍率は約8倍となっています。
そうしたなか、社会福祉法人合掌苑は、高齢者が活躍できる職場環境を創出し、介護業界を支える人材確保を実現しています。
主な取組みのポイントは、次のとおりです。
①介護業界全体が人出不足状態のなか、即戦力である高齢職員が安心して働き続けられるようにすることを目的に、平成29年4月に定年制を廃止しました。賃金は、60歳時点の基本給が70歳まで維持され、70歳以降は働き方に応じた金額となります。
②高齢でも無理なく働けるフレキシブルな就業形態を整備、柔軟な働き方を実現するために短時間・短日勤務が可能な限定正職員制度を導入しました。限定正職員は、週32時間以上の労働時間を条件にするとともに、週末の勤務が免除されています。
③キャリア支援として資格取得を奨励、受験費用の補助や資格取得へ向けた一時金支給など、高齢者を含む全職員を対象にしています。
④子育て中の女性を支援するため、子ども手当の支給をはじめ、法定を上回る産前休暇制度、子の看護休暇を整備しました。
数年前には、同法人では、宮城県において「介護人材の確保と定着」をテーマにセミナーを開催し、私も参加しましたが、同法人の取組み事例は今も記憶に残っています。
例えば、職員の同僚に向けて感謝の気持ちを書いて送り合う「サンクスカード」により、日ごろのコミュニケーションの回数を増やしていることなどです。
また、平成30年には「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の実行委員会賞を受賞したほか、「日本経営品質賞」の経営革新推進賞を受賞するなど、同法人の多彩な取組みは多方面から注目を集めています。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構:「エルダー2020年11月号」
2.両立支援等助成金(育児休業等支援コース)
中小企業を対象として、女性従業員が出産後、育児休業を取得した場合、次の助成金が支給されるものです。
①育児所得時対象育児休業取得者に連続3カ月以上の育児休業を取得させている場合、28.5万円(生産性要件に該当する場合は36万円)、1事業主2回まで(無期雇用者・有期雇用者各1回)支給されます。
②職場復帰時休業取得時と同一の育児休業取得者を原職等に復帰させ、6カ月経過した場合、28.5万円(同36万円)、1事業主2回まで(無期雇用者・有期雇用者各1回)支給されます。
※職場復帰加算育児休業取得者の業務を他の社員が代替した場合に職場復帰時の助成金に加算され、19万円(同24万円)支給されます。
助成金申請のポイントは、次の3つです。
①育休復帰支援プラン
産前休業に入る前に、育児休業を取得する従業員と会社側で育児休業の取組計画を作成します。プラン内容に不備があると不支給となることがあります。
②面談シート
シートの左半分を育児休業前に作成し、育児休業取得時の助成金を申請するときに添付します。シートの右半分を育休中および育休から復帰後に作成し、職場復帰時の助成金を申請するときに添付します。本シートも内容に不備があると不支給となることがあります。
③次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画
100人以下の会社では届出は努力義務となっていますが、助成金を申請する場合は届出が必須です。育休取得時の助成金を申請するまでに届出をすればよいのですが、届出漏れ防止のため、産前休業に入る前に届出することをおススメします。原則、一般事業主行動計画は「両立支援のひろば」のサイトに登録します。
本助成金は、女性社員が在籍しているほとんどの企業で使えるもので、職場復帰を促す取組みとしてぜひ活用したい助成金です。
厚生労働省:「2020年度 両立支援等助成金のご案内」
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