◆法改正や施策情報、助成金情報などを中心に、定期的に配信しています。
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1.パワハラ防止対策義務化の動き
2.人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)一般職業訓練
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1.パワハラ防止対策義務化の動き
パワハラ防止に関する法整備の動きが進んでいます。
特に昨年は、職場内におけるパワハラにとどまらず、監督・コーチの選手に対するパワハラ、取引先や顧客など第三者からの従業員に対する迷惑行為などについてもマスコミに取り上げられるなど、これまで以上に世間の関心を集めました。
パワハラは、労働者の尊厳や人格を傷つける等の人権に関わる許されない行為ですが、企業にとっても経営上の損失に繋がります。
また、嫌がらせ、いじめまたは暴行を受けたことによる精神障害の労災認定件数は88件(平成29年度)に増え、都道県労働局長における職場の「いじめ・嫌がらせ」の相談件数も増加傾向にあります。
こうした中、労働政策審議会においては、パワハラに関する法整備を含めた検討が進んでおり、職場のパワハラをいかに防止していくかに主眼をおいて、パワハラ指針や法整備を固めていくことになるものと思われます。
今後、労働政策審議会の審議を経てパワハラに関する指針が出され、次のような事項が盛り込まれることが予想されます。
①職場のパワーハラスメントの定義
②事業主が講ずべき措置等の具体的な内容について
③事業主が講ずることが望ましい取組について
そうなると、事業主としては、セクハラ同様に、パワハラについての指針の明確化や規定への落とし込み、従業員への周知、パワハラ相談への適切な対応が求められるようになります。
従業員への周知では、パワハラ防止のための教育・研修が有効ですが、これまでの研修は、「パワハラの定義はこれこれで、こうした事例はパワハラに該当する、しない」「ですから十分注意しましょう」といった内容のものが多かったのですが、最近は、パワハラの発生の心理的な要因にまで踏み込んだ研修も増えており、アンガーマネジメントなどの手法を取り入れるものもあります。
当事務所でもこうしたパワハラ防止に関する研修を多く実施しています。
厚生労働省:
「女性の職業生活における活躍の推進及び職場のハラスメント防止対策等の在り方について」
(平成30年12月14日)
2.人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)一般職業訓練
この助成金は、昨年度までは、キャリアアップ助成金(人材育成コース)でしたが、平成30年度から人材育成支援助成金に統合されたもので、有期契約労働者等に対して職業訓練を行う事業主に対して助成することにより、有期契約労働者等の職業能力開発を通じたキャリアアップを目的としています。
本助成金の中でも一般職業訓練は、パートタイマーなどの非正規社員が外部の研修会社で20時間以上のOFF-JTによる講習を受講し、その経費を事業主が全額負担したときに受けられる助成金で、「経費助成」と「賃金助成」をそれぞれ申請できるものです。
助成金の申請は、1年度1事業所当たり最大1,000万円まで可能です。
「経費助成」では、支払った経費の実費が経費助成限度額まで支給され、経費の50%を支給するというような助成率設定はありません。
したがって、例えば20時間の講習で1人86,400円(税込)の経費負担をした場合、全額の86,400円が助成金として支給されます。
経費助成限度額は、OFF-JTの時間数に応じて1人当たり次のとおり設定されています。
①研修時間合計100時間未満の場合、10万円
②研修時間合計100時間以上200時間未満の場合、20万円
③研修時間合計200時間以上の場合、30万円
「賃金助成」は、1人につき1時間当たり760円(生産性要件に該当する場合は960円)です。
終業時刻以降や休日などの所定労働時間外に研修を実施した場合、経費助成は支給されますが、賃金助成は支給されません。
なお、助成金の対象とならない講習としては、職務に関連しない研修、知識・技能の習得を目的としない研修、通信制の講習、趣味教養を身につけることが目的の研修、20時間未満の研修などがありますので留意が必要です。
また、教育訓練後に正社員化することにより、キャリアアップ助成金(正社員化コース)をダブル受給することも可能です。
厚生労働省:「人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)のご案内」
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