この画像は、数年前に日本語学習者の間でバズったミームです。
日本語を勉強したいと望む人を、「漢字」と「敬語」と「受け身(受動態)」が殺そうとしている図です。
ここからもわかるように、漢字は日本語学習者にとって高いハードルになっているようです。
漢字文化圏の学習者であっても、日本語は音読み・訓読みなど単語で読み方が変化するので、覚えることが多くて大変そうです。
そういった日本語の読みの難しさを象徴する例として、昨年末にバズったのが以下の文章です。
発信元はXの@5ducks5「あひるさん」。初出は日露通訳者でエッセイストの米原万里さんが書かれたエッセーとのことで、調べてみましたがどの著作なのかはわかりませんでした。
一月一日、元日の日曜日は日本晴れ。
今日は良い一日になりそうだ。
明日の二日は布団を天日干ししてから、
初日の出の絵日記を書こう。
一日 ついたち
元日 がんじつ
日曜日 にちようび
日本 にほん
今日 きょう
一日 いちにち(「ついたち」ではないと文脈から判断!)
明日 あす/あした
二日 ふつか
天日干し てんぴぼし
初日の出 はつひので
絵日記 えにっき
漢字の「日」の読み方の複雑さが実感できます。
「初日の出」は、「初」と「日の出」が組み合わさった名詞なので、読みは「はつひので」となります。
でも、例えば「初日の出席」だと、「初日」はひとつの名詞なので、読みは「しょにち」です。
そもそも「日本」が「にほん」だったり「にっぽん」だったりします。
サッカーで日本代表の読みは「にほんだいひょう」、応援するときのコールは「にっぽん!」。
「日」だけではありません。先のXのポストに「生」についての例文が寄せられていたので紹介します。
生け花を生き甲斐にした、生え抜きの生娘は
生絹を生業に生計をたてた。
生い立ちは生半可ではなかった。
生憎生前は生まれてこのかた生涯通して生粋の生だった。
生け花 いけばな
生き甲斐 いきがい
生え抜き はえぬき
生娘 きむすめ
生絹 せいけん/きぎぬ/すずし
生業 なりわい/せいぎょう
生計 せいけい
生い立ち おいたち
生半可 なまはんか
生憎 あいにく
生前 せいぜん
生まれて うまれて
生涯 しょうがい
生粋 きっすい
生 なま
「生絹」はわたしも読めなかったので、調べました。
「日下部」「生方」という姓の知人がいます。「くさかべ」「うぶかた」と読みますが、子どものころは読めませんでした。
姓の漢字の読み方は、日本人にとっても難しいです。一緒に勉強していきましょうね。