◆法改正や施策情報、助成金情報などを中心に、定期的に配信しています。
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1.自立支援医療制度
2.両立支援等助成金(出生時両立支援コース)
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1.自立支援医療制度
精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しており、平成29年は512万人となっています。
内訳としては、多いものから、うつ病、統合失調症、不安障害、認知症などとなっており、 近年においては、うつ病や認知症などの著しい増加がみられます。
こうした中、どの企業においても、うつ病などのメンタルヘルス不調を訴える社員は珍しくなくなってきています。
自立支援医療制度は、精神科の診察料や薬の代金などの自己負担金を公費で負担してくれるものです。
対象となる精神疾患は、かなり幅広い疾病が対象となっていますが、精神科を受診の際には対象になるかならないかについて問い合わせをしてみるとよいでしょう。
対象となる医療機関は、「指定自立支援医療機関」として、都道府県知事や政令市長から指定を受けていることが必要で、すべての医療機関が対象となるわけではありません。
また、対象となる医療の範囲は、外来での診察や投薬・処置、薬の処方、デイケア、訪問看護などが対象となり、入院費用は対象となりません。
公費負担の内容は、通常医療費3割自己負担が1割負担となります。この1割負担については、世帯の所得に応じて1カ月の自己負担金額の上限が設定されています。
ここで、住民票では同一世帯でも、違う医療保険に加入していると、別世帯とみなされます。そのため、治療を受けている本人が社会保険で、同居している家族が国民健康保険である場合などは、本人の所得のみで上限が決定されることになります。
さらに、医療費が高額で、長期間治療を受けなければならない者については、より負担が軽減されます。精神通院のほとんどは、このケースにあたることが多いようです。
申請手続きは、居住している市区町村の窓口に支給認定申請書、医師の診断書、医療保険証の写し、所得を確認できる資料等を提出します。
申請が認められると、自立支援医療受給者証と自己負担上限額管理表が交付されます。
交付には通常2~3カ月かかりますが、受給者証が有効と認められるのは、市区町村の窓口で申請書類を受け付けた日からなり、有効期限は1年間となります。
精神疾患がある人の負担軽減を図る制度としては、精神障害者健康福祉手帳や障害年金もありますが、いずれも療養の初期には使えません。
精神障害者健康福祉手帳を所持していると、所得税や住民税などの控除が受けられますが、原則として、精神科等を受診してから6カ月経過しなければ申請できません。また、障害年金は、精神疾患の症状で受診した初診日から1年6カ月経過後の請求となります。
一方、自立支援医療は、対象状態にあれば受診してすぐに申請することができ、申請書類を提出した日を開始日として交付されます。
そのため、療養して3日間の待機期間後に支給される傷病手当金と併せて利用すると、金銭の支出を自立支援医療で補い、収入の不足を傷病手当金で補うといった形で、金銭的不安の解消に一役かってくれるのではないでしょうか。
厚生労働省:「自立支援医療制度の概要」
2.両立支援等助成金(出生時両立支援コース)
この助成金は、男性社員が育児休業を取得しやすい環境づくりに取り組む企業を支援するもので、取扱い件数は右肩上がりに上昇しています。
主な受給要件は、次のとおりです。
①男性社員が出産後8週間以内に連続5日以上の育児休業を取得すること
②男性社員が育児休業を取得しやすいように、育児休業の取得促進、管理者から子どもが生まれた男
性社員へ育児休業取得の勧奨、男性社員の育児休業取得についての管理者向け研修の実施といった
取組みを少なくとも1つは実施していること
助成金額は、1人目が育児休業期間5日以上の場合57万円(生産性要件に該当する場合は72万円)、2人~10人目が育児休業期間5日から14日未満の場合14.25万円(同18万円)、14日から1カ月未満の場合23.75万円(同30万円)、1カ月以上の場合33.25万円(同42万円)となっています。
申請できる人数の上限は、年間10人までとなっています。
申請上の留意点は、連続する5日の育児休業期間に会社の所定休日が含まれていても構いませんが、育児休業期間のすべてが所定休日に当たる場合は、対象となりませんので、少なくとも1日は出勤日を含む必要があります。
また、育児休業期間に年次有給休暇を取得すると対象となりません。会社の就業規則等で「育児休業取得日は有休とする」と規定していない限り、無給にしなければなりません。
一部の大企業が男性社員の育休の取得を積極的に推進し始めましたが、ほとんどの企業では、またまだ男性社員が育休を取得するのは難しい風潮です。
この助成金は、男性が育児休業を取れる会社は、まだ少ないため、いち早く取り組むことで「働きやすい」というイメージを持ってもらうことができます。
若手の男性社員を雇用したいと会社で、定着率アップを狙う会社にはおススメの助成金です。
厚生労働省:「両立支援等助成金のご案内」リーフレット
厚生労働省:「両立支援等助成金(出生時両立支援コース)」パンフレット
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