星めぐりコラム恒星編~アル・リシャ
皆さん、こんにちは。セラスリエです。
星めぐりコラム恒星編9回目はアル・リシャ~うお座を取り上げたいと思います。というのも2024年の春分は3月20日ですが、現在科学的に春分点があるのは、うお座なのだそうで。春を迎える節目にフォーカスしてみようと思いました。
(春分点はみずがめ座に移動したことになっていますが、それは占星術的に考えた場合になるようです。ややこしいですね。)
うお座は秋の星座。秋にはぺガスス座の大四辺形が見えるのですが、その左下角に見えている横を向いたVの字の星座がうお座になります。
うお座は2匹の魚がリボンで結ばれている形と解釈されているのですが、その結び目にあたるのが「アル・リシャ」です。アル・リシャとは結び目という意味なのだそう。
この2匹の魚はギリシャ神話では、アフロディーテとエロスの母子とされています。怪物から逃げるためにアフロディーテとエロスは魚に変身して川に飛び込むのですが、離れ離れにならないようにリボンで互いを結んでいるのだとか。メソポタミアでは、アヌニチュ(イナンナの一要素)と考えていたのだそうです。
そんな「うお座」のアル・リシャの恒星占星学的な意味は「聖なる結び目、思想を結びつける」。
ブレイディによれば、二種類の知識の接点、異なる考えを結びつけて知恵と理解をもたらす。または、広い概念を生み出す、とのこと。
アル・リシャと繋がりを持つ人物としては、19世紀に職業としての看護を創始したナイチンゲールや、赤十字社を創立したアンリ・デュナン。
また、20世紀のスイスの精神科医。深層心理学で有名なカール・ユング(木星とのパラン)も挙げられています。
分離や分裂ではなく、理解や統合を目指した偉人が並んでいる・・・という印象ですね。
また占星学12サインのうお座に象徴されるような優しさや共感力、自己犠牲精神、神秘的などのイメージも重なるように思います。
一方でヘンリー八世(天王星とのパラン)の名前も挙げられています。ヘンリー八世は、イングランドテューダー朝の王ですが、なんと6度の結婚をしています。。当時のカトリック教会では離婚は認められていなかったため破門されてしまい、イングランド国教会を設立=イギリスの宗教改革となります。世界史で習ってビックリしました。
ヘンリー八世は有名なエリザベス一世の父であり、このお父様ゆえにエリザベスの人生が波乱万丈なものになっているとも思います。映画などでも取り上げられていますね。ただ考えてみるとこちらも確かに、2つのものを結びつけて新しいものを生み出している、と言えるかも知れません。
うお座の“緩さ”や“曖昧さ”のようなもの、も感じられる気がします。
そんなアル・リシャですが個人的には、アフロディーテがなぜ魚なのかが気になってしまいます。魚の住む海は、やはり「生命の源」というイメージがありますね。生命の源としての、海と女性性。産み育てる力などがアフロディーテのイメージと重なるのかも知れませんね。
※ この原稿を書くために調べ物をしていたところ、特別展「海-生命のみなもと」を3月16日から名古屋市科学館で開催とのこと。シンクロに驚いてしまいました。
また、海の泡から生まれたというアフロディーテの神話は、ジェネシス世界観では乳海から生まれたニンフたちをも彷彿とさせますし乳海との繋がりも感じます。
ジェネシス世界観では、エロス(エルの男性複数形)=アポロンであり、エロヒム(エルの女性複数形)=アルテミスと結論付けられているのですが、アフロディーテはエロヒムの1グループという印象もあるんですよね。
エロスとアフロディーテは、実はエロスとエロヒムのことで。母子がお互いに離れ離れにならないように結びつけたというリボンは、ひいては地球で転生へと入る際に迷子にならないように男性性ソウルと女性性ソウルでペアになっているという「ツインソウル」のことをも象徴しているのかも知れません。