◆法改正や施策情報、助成金情報などを中心に、定期的に配信しています。
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1.ハローワークのサービス充実化
2.キャリアアップ助成金(正社員化コース)支給申請の注意点
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1.ハローワークのサービス充実化
ハローワークでは、2020年1月6日よりスマートフォン対応やマイページ開設、求人情報の充実など、そのサービスの充実が図られることになりました。
人手不足と採用難が続き、業種によってはハローワークに求人を出しても応募がまったくないなどの問題がみられており、近年はインターネットを利用した有料職業紹介事業所が飛躍的に台頭してきています。そうした中、ハローワークの使い勝手の悪さが指摘されていました。
主な変更内容は、次の3つです。
(1)ハローワークのインターネットサービスがリニューアルされます
ハローワークのインターネットサービスが、スマートフォンやタブレットにも対応されることで、いつでも、どこでも、快適に、求人情報等を見ることができるようになります。
これまでは、限定された情報だけが公開されており、詳細については、ハローワーク内に設置されている専用端末を利用しなければなりませんでした。
また、自宅のパソコンやスマートフォン、タブレットからでも求職申込み情報の入力(仮登録)できるようになります。ただし、正式な申込みには、最寄りのハローワークで手続きする必要があります。
(2)インターネットサービス上に「マイページ」を開設できるようになります
「求職者マイページ」を開設すると、お気に入りの求人や求人検索条件の保存が可能になり、ハローワークで紹介し求人内容や応募履歴を確認できるようになります。
また、メッセージ機能により、ハローワークからの紹介で応募した求人企業とやりとりができるようになります。「求人者マイページ」では、オンライン求人申込みやハローワークへの採否連絡などのサービスが利用できるようになります。
さらに、事業所の外観、職場風景、取扱商品などの画像を公開することが可能となり、ハローワークに登録している求職者のうち、経歴、専門知識、資格や希望条件などの求職情報を検索することもできるようになります。ただし、この求職情報は、求職者が求人者にPR(公開)することを希望している場合が対象となり、連絡先など個人情報が特定される情報は公開されません。
(3)「充実した求人情報」と「マッチング支援」
求人票の様式が一新され、労働条件やPR情報など求人情報がより詳細になり、求職者が希望する企業・団体などの情報をもっと深く知ることができるようになります。
そして、豊富な情報を元に、充実した職業相談・紹介を行い、適格なマッチングの支援を図ろうとしています。
今後、ハローワークでのインターネットを利用した求職者が増えることも期待され、各事業所では、その対応に取り組んでいく必要があるでしょう。
具体的には、「求人者マイページ」の開設はもとより、より詳細な求人情報の掲載、画像等による事業所のPR、メッセージ機能による求職者との迅速かつ懇切なやりとりへの対応体制など、十分に検討していくことが必要です。
厚生労働省:「2020年1月6日からハローワークのサービスが充実します!」
2.キャリアアップ助成金(正社員化コース)支給申請の注意点
キャリアアップ助成金は、有期契約労働者等を正規雇用労働者や無期雇用労働者等に転換するなど活用できる機会は多く、最も申請件数が多い助成金ですが、今年度は、支給申請の審査が厳しくなっているようです。
注意すべきポイントは以下の6つがありますが、特に賞与に関する不備による不支給が増加しています。
(1)固定的に支給される手当
正社員転換後の賃金が5%以上増額していても、転換後に基本給や定額で支給されている諸手当が1円でも減額されると不支給になります。ただし、減額の理由が、転勤に伴う地域手当の支給額の変更や、家族が扶養から外れた場合の家族手当の支給額の変更等、合理的な理由による場合は支給されます。
また、固定残業代は5%アップの賃金計算には算入しませんが、正社員転換後に固定残業代を下げると不支給になります。
(2)賞与の支払額で5%アップとした場合
基本給などの固定給を上げずに、賞与の支払い額で5%アップとして助成金を申請した場合に、不支給となる事例が続出しています。
①就業規則等に賞与の支払時期および支給対象者が明記されていることが必要です。例えば、「7
月と12月に支給する」など最低限支給月を規定し、「正社員に支給する」というように支給対象
者を明確にします。
②5%アップの賃金計算に算入できる賞与は1回分です。例えば、月給20万円の有期契約社員を7月
に転換後、月給の額を据え置いたまま7月と12月に3万円ずつ賞与を支給しても、6万円ではなく
3万円しか算入されないため、5%アップとして認められません。有期契約社員である期間中に賞
与を支払う場合には、事前に管轄の労働局に確認したほうがよいでしょう。
③就業規則等で「賞与は原則として支給しない。ただし、会社の業績によっては支給されることがあ
る」と規定されている場合は、助成金は支給されません。
④名称を問わず、会社の業績に応じて臨時的に支給される「決算賞与」や「寸志」の場合は不支給に
なります。
(3)少人数事業所の場合
少人数の事業所で発生しやすい事例ですが、助成金の支給決定時に、①雇用保険適用事業所の事業主でない場合、②雇用保険被保険者数が0人の場合、③事業所が廃止されている場合、④吸収合併等による統廃合の場合、⑤雇用保険の非該当承認を受けている場合も、助成金は支給されません。
(4)固定残業代が基本給に含まれている場合
固定残業代が基本給に含まれている場合は、固定残業代に関する時間数と金額等の計算方法、固定残業代を除外した基本給の額を就業規則または雇用契約書等に明記することが必要です(平成31年4月1日以降に正社員に転換した場合)。
(5)正社員求人に応募してきた人を正社員転換した場合
正社員の求人に応募してきた人を有期契約労働者等として雇用し正社員転換した場合、助成金の支給がされないことがあります。例えば、ハローワークに正社員の求人だけを出した場合には、労働局から問い合わせが来る可能性があります。
(6)本人の署名等
転換前と転換後の労働条件通知書には、従業員の署名等があることが必要です。なお、「署名等」となっていますが、「署名+捺印」としたほうが審査は問題なく通ります(改正前から雇用契約書については、会社員と本人印が必要でした)。
以上のポイントについては、最低限押さえておく必要があり、不明な点については労働局に都度相談したほうが、よろしいでしょう。
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