1回数百円で受けられる保険適用の「EAT」またの名を「Bスポット療法」をご存じでしょうか。
これは、鼻と喉の奥にある上咽頭が慢性的に炎症している症状に対し、クロールチンク(塩化亜鉛)などの消炎剤を直接塗布・擦過する治療法です。
上咽頭は鼻から吸い込んだ空気が最初に通る部分で、この場所にはウイルスや細菌、花粉が付着しやすく、外部侵入したそれらに加え、口呼吸や体の冷え、ストレスや疲労などの影響で、上咽頭炎が起こると言われています。
この上咽頭という場所は、実はかなり人体において多大な影響を及ぼす場所であると言われており、神経系とも密接に関係している場所でして、ここの炎症により自律神経の乱れ(交感神経過緊張状態)が起きやすく、めまい、睡眠障害、偏頭痛、全身倦怠感などが起きるとも言われています。
さらに上咽頭で慢性的な炎症が起きると、免疫システムにも狂いが生じて、自己免疫疾患となって炎症物質(サイトカイン)が血流に乗って全身を駆け巡り、遠くはなれた腎臓、関節、皮膚などにも炎症を引き起こすと言われています。
このように慢性的な「慢性上咽頭炎」はかなり多くの問題を引き起こす原因となるのですが、一般的にはまだまだ知られておりません。
この治療を行っている耳鼻咽喉科も限られているのが現状で、医者になるための医学部で習う事が無いことや、技術を要する治療にも関わらず診療報酬の点数が低いことも耳鼻科医の間で浸透しない、取り扱わない背景としてもしかしたらあるのかもしれません。
というのも実際に、当サロンのお客様からお聞きした話ですが、
ある耳鼻科では、カメラで確認したところ腫れていないという理由で、治療しないで終わってしまったケースがあったようです。それでもご本人は「慢性上咽頭炎」の自覚症状を感じていたため、他のクリニックで改めて受診し、上咽頭を擦って確認してもらいたい旨を伝えて擦ってもらったところ、出血があったために「炎症が発覚した」という事があったようです。
一定の技術と経験がないと医師でも見落としてしまうケースがあるようでして、
実際「日本病巣疾患研究会」という「慢性上咽頭炎」の治療を推奨する研究会でも、医師の技術力と認識の向上が課題であると言っています。
ちなみに、そのお客様は横須賀の池田町クリニックで10回ほど治療を行い、炎症が無事なくなり不調の改善を身体で実感したと仰っていました。
僕も以前、別の耳鼻科にて数回受けたことがありまして、なかなかの体験でした(ちょっと痛いのです...)。しかし受けた後、頭がなんだかクリアになった感覚がありました。ポイントは信頼できる医師の元、諦めずに(←ここ大事です)炎症がなくなるまで通う事、です。
下記に挙げる症状を慢性的に感じている方は、一度炎症を疑って耳鼻咽喉科にて診療してもらうのが良いかと思います。その際、見た目で腫れていないようだとしても、勇気を持って一度しっかりと擦ってもらう事をお勧めいたします。
<慢性上咽頭炎が関連する症状>
めまい、偏頭痛、睡眠障害、起立性調節障害、過敏性腸症候群、胃の不調、全身倦怠感、咽頭違和感、後鼻漏、咳喘息、痰、首こり、肩こり、耳鳴り、舌痛、歯の知覚過敏、多歯痛、顎関節痛、IgA腎症、ネフローゼ症候群、関節炎、胸肋鎖骨過形成症、掌蹠嚢疱症、乾癬、慢性湿疹、アトピー性皮膚炎、コロナ後遺症など。
ちなみに、当サロンでも「鼻うがい」をよく推奨させていただいておりまして、
それは上咽頭に付着したウィルスや細菌、花粉を洗い流してくれるのに効果的なので、風邪やコロナ感染、花粉症を防ぎやすくなるからなのですが、これはあくまで生理食塩水で「洗い流す」行為ですので、塩化亜鉛の「炎症をなくす」治療とは若干目的が違いますのでご注意くださいませ。