星めぐりコラム恒星編~ポラリス
皆さん、こんにちは。セラスリエです。
前回の星めぐりコラムは「北極星のバトン」で交代する北極星について綴ってみました。
「偶然、地球の地軸が傾いていることによって起こる歳差」ですが、傾いている理由に「月が重すぎるから」という説もあるようです。ジェネシス世界観では月と言えばリラの母たちのイメージですが、確かに様々な意味で「重い」というのが頷ける気がしています。
北極星繋がりで、今回の星めぐりコラム恒星編11回目はポラリス~ごぐま座を取り上げたいと思います。
こぐま座は、小さなひしゃく型をした星座です。北斗七星の小型版、に見えます。この辺りの星座図を眺めてみますと、黄道の北極(地軸が傾いていなかったら北極になる場所)にはりゅう座がドーンと広がっています。この、りゅう座は、大きな星座だな、という印象があります。
そんな訳で、こぐま座は3方向を大きなりゅう座に囲まれていて、元々は「竜の翼」と見なされていたそう。この黄道の北極を支配する竜と、熊はどうも大切なポイント、象徴になりそうと感じていますが・・・今日はポラリスの話を続けますね。
そんな「こぐま座」のポラリスの恒星占星学的な意味は「主義によって導かれる」。
ポラリスは数世紀にわたって海と砂漠の両方を航行する船乗りたちの目印に使われてきました。船乗りたちの目印という物理的な意味だけではなく、精神的に人々を導くなど、多面的に「道を誘導する」という象意があるようです。
ポラリスと繋がりを持つ人物としては、太陽とのパランにエリザベス1世の占星術師ジョン・ディーや、近年のイギリスの魔術探求家アレスター・クロウリー(トートの書などが有名ですね)。水星とのパランでは、ルルドの奇跡で有名なベルナディット・スピルー。金星とのパランでは、イングランドの黄金期を築いたことで有名なエリザベス1世。
うーん。確かに、思想や信仰、スピリチュアル、国などを導く人、先導者というイメージがありますね。
それでは、ポラリスの神話にも目を向けてみましょう。先ほども触れたように、こぐま座は小さなひしゃくのような形をしていますが、近くには向かい合うように大きなひしゃく形の北斗七星(おおぐま座)があります。この2つの星座はセットと見なされることが多いよう。
ギリシャ神話では、おおぐま座とこぐま座はアルテミスのニンフであるカリストと息子のアルカスという話が一般的です。カリストがゼウスに処女を奪われてしまい、ヘラの嫉妬もしくはアルテミスの怒りでクマに変えられてしまうというもの。。(気になる方はネットにもたくさん載っていますので調べてみて下さい。)悲しい母子のお話なのですが、こちらの神話は調べてみるとどうも奥が深そうな印象です。
こちらよりも、ピンときやすいのは中国の北極星にまつわる話かなと思いますのでご紹介しますね。古代中国では北極星を軸に空が動いていると考えていて、北極紫微大帝、天皇大帝として信仰していたそう。その北極星を周回する北斗七星は大帝の乗り物と見なされて、次第に北極星と同一視されるようになっていきます。ちなみに仏教では妙見菩薩と結びついて、日本でも妙見信仰という形で信仰されているようです。
※ ただし歳差運動の影響のため、古代中国でいう北極星はポラリスとは違う恒星です。
松村さんによると、北極星の交代は「地球の支配者が交代するイメージ」とのこと。
確かに、北極星は現在の地球の支配者・王のような立ち位置とも考えられそうですね。