2022年3月のニュースレター

3月です。北海道(ほっかいどう)・札幌(さっぽろ)は雪どけの季節です。
でも、いつもの年と違い、まちにはまだ大量の雪が残っています。
そして、今も雪が降っています。


2月は初旬からかつてないドカ雪になりました。

24時間で60cm以上積もり、鉄道やバスが運休しました。
下旬にはまちなかでもホワイトアウトする暴風雪(ぼうふうせつ)。
またまたとんでもない量の雪が降り、

鉄路やバス路線はもちろん、空路も止まりました。
道路が大渋滞(だいじゅうたい)し、

市内のごみの収集(しゅうしゅう)も遅れましたが、
寒いので生ごみが腐らないのがせめてもの救いです。

 

それでもちゃんと春は来ます。
先週家に帰る途中にふとマスクを外してみると、春のにおいがしました。
四季が明快な札幌には、季節ごとのにおいがあります。
春が来るにおい、夏のにおい、初雪が降る前のにおい。
どんなにおいと尋ねられても形容しづらいのですが、
長年札幌に住んでいる人同士なら「あ、あれね」とわかり合えます。
ほかのまちにもありますか?

 

ウクライナにも平和な春が訪れますように。

 

▼写真は、豪風雪にこごえるエゾモモンガ(ぬいぐるみ)

日本語を勉強し始めたきっかけは?

今年1月から毎月1回開催している、ちょっと大きくて長い茶話会(さわかい)「茶話(さわ)コン」。話し続けてのどが乾くので、始まる前に飲み物を用意しましょう。

第3回は3月26日(土)午後11時(23:00 JST)から90分間です。
3回目は、学習者のリクエストで「日本語を勉強し始めたきっかけ」がテーマになりました。日本語母語者は、外国語を勉強し始めたきっかけを教えてください。

これまでに聞いた例では、日本のアニメやドラマ、アイドル、忍者や武道などがきっかけになった人が多かったです。そのほか、仕事は英語でできるけれど日本に住んでいるのだから日常会話くらいできるようになりたいという人、ニッチなところでは園芸療法(えんげいりょうほう)に興味があるからという人もいました。

あなたのきっかけは何ですか?

 

開始時間は午後11時。90分間と長いので、途中から参加しても大丈夫です。

一緒にお話しできるのを楽しみにしています。

参加を申し込む

「やさしい にほんご」でニュース

[YAHOO! JAPANニュース/HBC北海道放送]2022/02/26

北海道・余市町の海で「群来」か…海面が白濁

ほっかいどう・よいち ちょう の うみ で「くき」か?…かいめん が はくだく

このニュースを「やさしいにほんご」にしました。

 

2月(がつ)26日(にち)午後(ごご)、余市町(よいちちょう)の海(うみ)が白(しろ)くなりました。ニシンという魚(さかな)がたくさん来(き)たからです。こうして海(うみ)が白(しろ)くなることを「群来(くき)」といいます。
白(しろ)いものはニシンの白子(しらこ)です。白子(しらこ)は魚(さかな)の精子(せいし)のことです。この時期(じき)はメスが海藻(かいそう)に卵(たまご)を産(笑う)み付(つ)けるので、たくさんのオスが白子(しらこ)をかけに集(あつ)まってきます。
ニシンがたくさん来(く)ると、浜(はま)には釣(つ)りをする人(ひと)も集(あつ)まります。「群来(くき)」になると、漁師(りょうし)はニシンがたくさん獲(と)れると期待(きたい)します。

ニシンには「春告魚(はるつげうお)」という名前(なまえ)もあります。ニシンが来(く)ると、北海道(ほっかいどう)に春(はる)が来(き)ます。

【今月の豆知識】ニシン(漢字は「鰊」)

昔の北海道はニシン漁が盛んで、最盛期の明治時代には年間約100万トンの水揚げがありました。当時のニシンは食材より肥料として使われました。漁を取り仕切る網元たちは巨額の利益を得て、大きな建物を建てました。それらは「鰊御殿(にしんごてん)」と呼ばれ、現在もいくつかが残っています。ニシン漁は北海道経済の礎を築いた産業のひとつでした。

その後ニシンはだんだんと減り始め、1950年代には「幻の魚」と呼ばれるほど獲れなくなりました。しかし、近年はニシンの水揚げが少しずつ増えてきています。かつての乱獲を反省した北海道に、毎年春を告げにやって来てほしいものです。
※左写真:ニシンが山になっている小樽郡朝里の鰊納屋の中の様子(『明治大正期北海道写真目録』北海道大学附属図書館所蔵)


●参考情報

・北海道庁サイト/北海道お魚図鑑「ニシン」

のまどメンバーのエッセイ

語学はいろんな味がする @ TSURU⌘

わたしは語学が好きです。知らない言語を話す人に出会うとすぐ言葉に興味を持ちます。いろいろな言語をかじりました。でも、きちんと話のできる非母語はひとつもなく、旅行会話程度のレベルがかろうじて3言語です。そんなわたしに、連れ合いは言いました。

「最近は優秀な通訳アプリがある。時間をかけて勉強しても話せない人より、なにも勉強しなくてもスマホで話せるオレは勝ち組」

確かに勝ち負けでいえばそうなのでしょう。でも、語学学習の面白さは、通じる・通じない以外の部分にもあるんです。

 

1990年代、トルコ旅行をしている時にクルド人の青年に出会いました。世間話からわたしがトルコ語を勉強していると知った彼は、「クルド語も覚えて」とその場でミニレッスンを始めました。

わたしは彼が口にしたフレーズをアルファベット(トルコ語の文字はローマンアルファベットをもとにしています)で書き留めようとしました。すると、彼は「それはトルコ語の文字。クルド語には文字がないから、キミの母語の文字を使ってほしい」と言いました。
それまで私は漠然と、各言語には固有の文字があると思っていたので、はっとしました。そして、彼にそう言わせたトルコ共和国とクルド人の関係にも思いを巡らせました。

 

それから30年ほど経った昨年。北海道の先住民族アイヌの文字について、専門家の話を聞く機会がありました。

アイヌ語には固有の文字がないと100年以上いわれ続けてきましたが、その間に日本国内のアイヌ語母語者や研究者たちは苦労してアイヌ語のカタカナ表記の基準をつくり、書籍や辞典も発行されるようになっていました。なぜカナかというと、日本国内で暮らすアイヌ民族の「母文字(←こんな言葉ありません。わたしがつくりました)」だからです。

そして現在、アイヌ語は文字を持つ言語になったといえるのだとその専門家は言いました。言語は人の営みとともに生きているのだなぁとわたしは感じました。

 

平安時代に漢字を崩して生まれた日本語のひらかな。15世紀に世宗大王の指示のもとで生まれたハングル。19世紀にアタチュルクが確立させたトルコ語の文字。言語を学ぶと、その背景にある歴史や文化に関する知識も深まります。

文字だけではありません。表現や文法の違いも面白いです。日本語の「ある」「いる」、英語の「単数」「複数」といった区別のこだわり。男性名詞・女性名詞の区別がある言語圏は、LGBTにどう対応しているのかな?など、文法とは関係のないさまざまな疑問もわいてきます。

 

イスラエルで使われているヘブライ語が、儀式にしか使われていなかった古代の言葉を現代の日常言語として復活させたものであるという驚き。

膠着語(助詞や接辞が名詞・動詞にくっついて文になる言語)と分類される言語として、モンゴル語・日本語・韓国語・トルコ語のどこか似ている言語群に、遠く北欧のフィンランド語が加わってくる意外性。

ひとくちかじると、知らない味わいに好奇心が刺激されます。何度もかじると、いろいろな味があったことに驚きます。いろんな種類をかじると、世界中をグルメ旅行している気持ちになります。

 

もちろん、話して通じ合えた時のうれしさは別格で、語学学習の最上級のごちそうといえるでしょう。

そう考えると、連れ合いは好きな味の幅が狭いだけなのかもしれません。わたしは彼と違って、臭い香草や魚のにがい内臓なども喜んで食べますから。

好き嫌いせずに一度食べてみると、もしかしたら大好物になるかもしれないのにと、ちょっとさびしい気持ちです。

TSURU⌘ の 茶話会を探す
「のまどクラブ」をフォロー
Facebook でフォロー
X(Twitter)でフォロー
「のまどクラブ」ウェブサイト  
このメールは Wix で作成されました。‌ サイトを見る