星めぐりコラム 恒星編 ~アルフェッカ
皆さん、こんにちは。セラスリエです。
3月20日の春分まであと少し。春の暖かさを感じられる日も増えてきましたね。
良き再生の春を迎えられるよう、支度をしていきたいと思っています。
星めぐりコラム恒星編8はアルフェッカ~かんむり座を取り上げたいと思います。
かんむり座は春の星座で、アルクトゥルスのある「うしかい座」のすぐ北東に位置している半円形の星座です。7つの星がぐるりと半円形を作っていますが、冠の片方が欠けているように見えるのでペルシアでは「壊れた大皿」と呼ばれていたそう。
古代ギリシャでは「アリアドネのかんむり」とも呼ばれていましたが、これはギリシャ神話にまつわる呼び名です。クレタ島の王女アリアドネは、魔物退治のため迷宮に向かうアテネの王子テセウスに脱出用の糸を与えます。テセウスはアリアドネを妻にしますが、アテネのお告げによりアリアドネを置き去りにしてしまいます。。
悲嘆に暮れたアリアドネでしたが、ディオニソスと結婚することになり、ビーナスから祝福の冠を贈られました。その冠が空にあげられたのが「かんむり座」なのだそう。
そんな「かんむり座」のアルフェッカの恒星占星学的な意味は「とげのある贈り物」。
松村さんによれば「必ずしも自分の努力によるものではない栄光や女性の王冠」をシンボルにするとのこと。ダイアナ妃をイメージとして挙げていらっしゃいます。ブレイディによると「穏やかで受動的な成功を収める一方で、王冠にはとげがあり払うべき対価が生じる」とのこと。
前回の星コラムではアクルックスを取り上げたのですが「男性的な富や権力」をテーマにしていると綴りました。その流れで「女性的な名声や成功」にまつわる恒星として思い浮かんだのがアルフェッカでしたので、今回取り上げることに。かんむり座という名前から「玉の輿」のような意味合いなのかな・・・と思いましたが、少し違うようです。
かんむり座と繋がりを持つ人物(天王星とのパラン)としてエルビス・プレスリーが紹介されていました。良く知らなかったのですが、彼が生きたのは黒人への差別が当たり前のようにあった時代。音楽ライブへ行っても黒人と白人が区切られているような状況だったのだそう。そんな中、エルビス・プレスリーは黒人音楽であるブルースやR&Bと、白人音楽であるカントリー&ウェスタンを融合、それまでになかった斬新な音楽スタイルを生み出していきます。
さらに煽情的な腰の動きなどセンセーショナルなダンスでも観客を熱狂させていきます。一方で、テレビや保守的な団体、政治家からは激しい批判を受けたのだとか。大きな成功を収める一方で彼の孤独は深まっていったようです。
他にも、ジャンヌ・ダルクもアルフェッカとのご縁があるようですし、ノストラダムスも海王星とのパランなのだとか。ジャンヌ・ダルクの生涯については言わずもがなですし、ノストラダムスは王宮に招かれるなど名声を手にした一方で、批判や苦情などもあったのでしょう。
かんむり座という名前から想像していた女性的な富や権力というよりも。犠牲を伴うような「成功や名声」や「影響力の強さ」なのかなと思いました。「出る杭は打たれる」という諺のように、成功すると批判する人や嫉妬する人が現れて苦労する、という事のようにも思いました。そう言えばギリシャ神話のアリアドネも、アテネの嫉妬によって苦労していたのでしたね。
参考:エルビス・プレスリーの始まりと終わりの物語 山本雅美 KKBOX