若い者のいうことは聞いておけ
先日、無事U.M&Kツアーが終了しました。
このニュースレターを読んでいる人で来てくれたみなさん、ありがとうございました!
まだ来れてない人はきっと楽しいと思うので、次回以降は是非観に来てくださいね。
今回もいつも通り愉快なツアーだったのですが
思わぬ発見があったので、ちとここに書き記したいと思います。
世の中にはギターポップ・パワーポップというジャンルがあります。
一緒にツアーに回ったナッヂエムオールもぼくらbig the grapeの大きく分けるとそのジャンルに分類されるかと思います。
簡単にいうとギターをじゃかじゃな鳴らしながらメロディの良い、いわゆる良い曲をスピード感のある8ビートで演奏するというものです。
big the grapeは少しクセがあるのでメロディの良い、いわゆる良い曲いう枠からは外れるかもしれませんが、ナッヂエムオールはその最たるバンドのひとつといえるかもしれませんね。
一見(一聴?)する限り聴きやすくノリやすそうに思えるこのギターポップ・パワーポップというジャンルですが、ライブがものすごく盛り上がるというかというと大半はそうでもなかったりします。
(なかでもナッヂはかなり盛り上がっているほうかとは思いますが)
実は『いい曲』というところに落とし穴があって、
曲の構造がメロディを中心に作られているためにリズムのフックが少なく、リズムをもってしてライブを体感するという部分がどうしても欠如してしまうんですね。
その分、メロディを噛みしめられるという利点はあるのですが。
加えてパンクやメロコアに比べるとお客さんの着火点が低く、曲も短いので客席が温まる前に曲が終わってしまうということもその要素の一つかもしれません。
今回の松山でのライブ。
この日、ナッヂのセットリストをこのツアーのメンツの中で一番若いキーボードのしお君が考えるということになっていたようでした。
本人はガラっと変えてやりましたよと言っておりましたが
正直、ぼくは普段やらない懐かしい曲をやるんだろうなぁくらいしか思っておりませんでした。
で、実際にライブを見てビビりました。
覚えている限りですが、6~7曲くらいをノンストップ&MCなしで演奏したからです。
ライブ全体的に見ても6~7曲をひとつのブロックとして、MCの回数もいつもより少なかったと思います。
通常、年齢的にも習慣的にも3曲くらい曲を連続して演奏して、そのあとMCに入るというのがなんとなくぼくら界隈のマナーでした。
それを覆してノンストップで6~7曲を演奏をすると、お客さんがいつもと違う感じで盛り上がっていく様子が伺えました。
いつもは3曲くらいをやってみんなが一息ついている感じだったのが、徐々に少しおかしなトランス状態になっていくような。
音楽的にダイブとかモッシュとかは起きないのですが、ジワジワと会場が熱を帯びて上がっていくような感じとでもいいましょうか。
リズムのフックが少ないという盛り上がりに欠けるポイントを、曲を繋げてテンションを上げることで解消させたようにすら思えました。
ぼくがビークルをやっていたときも、大体3曲くらい繋げてMCに入るというようなセットを組んでいたのですが、思えばメロコア&パンクに寄っていた当時のビークルのスタイルだとお客さんの着火点も高く、燃焼具合も3曲くらいがちょうど良かったのだと思います。
しかしながら曲のスピード感もノリも違うバンドなら、その辺も含めてセットリストを考えたほうが良いんでしょうね。
なんとなく、3曲くらいやってMCかなぁと思ってなにも考えずにセットリストを組んでいた自分をひどく恥じました。
先述した通り、しお君は今回ツアーを回ったメンツの中でも一番若い人です。
若い目から見て(耳で聴いて)、彼なりにもどかしさを感じていたのかもしれませんね。もっと盛り上げられる方法はあるのに、と。
その辺の話を打ち上げで彼と話したのですが、残念ながら酔っ払って忘れてしまいました。
ま、いずれにしても若い人の意見は、ときとしておっさんが忘れていること、見落としていることを上手いことすくい上げてくれます。
おおいに耳を傾けるべきだなぁと思った次第ですね