「エシカルライフのすゝめ」― 自然の力への喜び―
こんにちは。藍です。ライターを目指しながら、普段は会社員をしています。自然派生活、エシカルな生活に興味があり、少しずつ日常に取り入れられるよう勉強中です。
前回・前々回と私たちの衣食住の「衣」「食」に関連したテーマでエシカルライフを考えてきました。今回は最後のテーマ、「住」の住居…から。さらに視野を広げて、「自然」と「生活」の観点から考えていきたいと思います。
さて、私たちはどのように自然と繋がっているのでしょうか。
技術的な発展・忙しい日々の中で、自然を肌で感じる時間が少なくなってきている、と感じている人も、少なくないかもしれません。。。
仕事や用事で家を出て、外を歩いている時にふと、空を見上げる。
アスファルトの隙間から伸びる、足元の草花に目を向ける。
道路の脇に連なる街路樹の葉が揺れる姿に風を感じる。などなど。。。
あるいは、
ふと、スーパーで買ってきた野菜や果物が自然の力によって作られていることに気づく。
自然の力で、土から枝葉を伸ばし、栄養を蓄え、実をつける、
野菜や果物の色や形、香り、味…すべてに「自然の力」の素晴らしさを感じることができます。私たちは海や山に出かけたり、森や川に入っていかなくとも、生活の中で自然を感じられるのではないでしょうか。
『沈黙の春』の著者であるレイチェル・カーソンは、『センス・オブ・ワンダー』でこのように綴っています。
「 人間を超えた存在を認識し、おそれ、驚嘆する感性をはぐくみ強めていくことには、どのような意義があるのでしょうか。自然を探検することは、貴重な子ども時代をすごす愉快で楽しい方法のひとつにすぎないのでしょうか。それとも、もっと深いなにかがあるのでしょうか。
私はそのなかに、永続的で意義深いなにかがあると信じています。地球の美しさと神秘を感じ取れる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることは決してないでしょう。たとえ生活のなかで苦しみや心配ごとにであったとしても、かならずや、内面的な満足感と、生きていることへの新たなよろこびへ通ずる小道を見つけ出すことができると信じます。」
(訳:上遠恵子、68-69ページ)
自然の力への歓びが、内面的な満足感・生きていることへのよろこびに通じてくるということ、物質的な豊かさに限らず、生活の豊かさを感じられる感性を育むヒントが、この『センス・オブ・ワンダー』から読み取れるのではないでしょうか。
少し話がずれますが、幸せの国と言われるデンマークで大切にされている“Hygge(ヒュッゲ)”にも近い感性を感じると、個人的には思いました…
話をもとに戻して…
このような日常的な自然との繋がりを感じる感性が、自ずと地球全体の自然界に対する眼差しへと広がっていくこともあるかもしれません。そして、純粋に自然を守りたい、という思いから環境問題や気候変動に対する危機感を持ち、エシカルライフに関心を持つ、など。
私がエシカルライフに関心を持ったきっかけも、自然に対する畏怖のような感覚があったからかもしれない、と感じています。自然の力に対する歓びの感性とともに、暮らしていくこと―それは、エシカルライフの根底に位置する大切な考え方なのかもしれません。。。
引用文献:レイチェル・カーソン(訳:上遠恵子)「センス・オブ・ワンダー」