2024年5月のニュースレター

5月です。先月お花見の時期を迎えた
北海道(ほっかいどう)・札幌(さっぽろ)のサクラは、
そろそろ散り始めています。

これまでは大型連休の後半に満開になるタイミングでしたが、
気候変動の影響か、だんだん早くなってきています。

 

サクラは田植えの時期を告げる花として重宝したので、
昔の日本では山から里に移植して利用していました。

生活に密着したこの花を観賞用として愛でる人も多く、
交配でさまざまな品種がつくられました。

最も有名なので、江戸時代につくられたソメイヨシノです。

北海道のサクラの多くは自生のエゾヤマザクラだといわれています。

 

和人(わじん*)の歴史が浅い北海道では、古くからのサクラの名所は、
本州と密接につながっていた道南にあります。

函館市の五稜郭(ごりょうかく)公園と、松前(まつまえ)町の松前公園です。

五稜郭は要塞の跡で、松前にはお城があります。

 

毎年、松前さくらまつりでは、
サクラを保守し新品種をつくり続けた桜守(さくらもり)による

解説付きで公園内のサクラを鑑賞する観察会が行われていましたが、

今年のガイド役は町役場職員のようです。

高齢だったので引退されたのでしょうか。残念です。


*和人:本州以南から北海道に入植、移住してきた日本の人々。

詳細→「アイヌ民族・和人について」

 

※写真は、松前公園のサクラ「紅豊」(ウェブサイト「桜図鑑」の解説」)。
桜守の浅利政俊氏が交配した新品種のひとつです。

今月はやります、「旅の部屋」!

せっかく勉強した日本語です。チャットでたくさん使ってください。

会話を止めてわからないことを質問したり、発音を何度も繰り返すよう頼んだり、文章を考えるために話すまで長く無言になっても、まったく問題ありません。ここは学習者のためのチャットルームです。たくさん練習してください。

 

●茶話(さわ)コン

毎月最終土曜、午後11時(23:00 JST)から、oViceで90分間みっちり話すTSURU⌘の茶話コンです。日本語母語者も歓迎です。おしゃべりでのどが渇くので、飲み物を用意しての参加がおすすめです。

#29は5月25日(土)。予約不要。時間になったらノックしてください。

 

●旅の部屋

奇数月最終木曜午後9時からは、SpatialChatで旅話を楽しむチャットルームです。今月は第3回目。5月30日(木)に「スイス」をテーマになつおが話を進めます。
予約不要。時間になったら入室してください。

 

●作文の添削

日本語の作文を送ってください。添削して返送します。

 

●「Easy Japanese for travelers」

英語サポートがつくくわもんの茶話会はしばらくお休みです。

Monthly Zoom chat room “Easy Japanese for travelers” by Kuwamon is closed for a while.

5月の予定

「やさしいにほんご」でニュース

[共同通信]2024/04/05

花見のジンギスカン禁止 札幌、桜名所の円山公園

はなみ の ジンギスカン きんし

さっぽろ、さくら の めいしょ の まるやま こうえん

 

このニュースを「やさしいにほんご」にしました。

札幌(さっぽろ)の円山(まるやま)公園(こうえん)では、春(はる)にきれいなサクラがたくさん咲(さ)きます。たくさんの人(ひと)がお花見(はなみ)を楽(たの)しみます。ジンギスカンを焼(や)いて食(た)べます。

 

今年(ことし)は、お花見(はなみ)で火(ひ)を使(つか)えません。禁止(きんし)になりました。

火(ひ)を使(つか)わない食事(しょくじ)や宴会(えんかい)はできます。朝(あさ)9時(くじ)から夜(よる)8時(はちじ)までです。

 

ジンギスカンはお花見(はなみ)の名物(めいぶつ)でした。でも、近(ちか)くに住(す)む人(ひと)は、煙(けむり)やごみに毎年(まいとし)困(こま)っていました。

これからも毎年(まいとし)禁止(きんし)になる予定(よてい)です。

【今月の豆知識】
 お花見(はなみ)とジンギスカン

 北海道では野外バーベキューが日常的です。多くの家庭にジンギスカン鍋や携帯用ガスコンロがあり、家族や友人たちが集まって公園や河川敷、自宅の庭などで肉や野菜を焼いて食べます。その際、北海道ではラム肉を食べることが多いため、ラム肉の焼肉料理を指す言葉「ジンギスカン」は、「屋外で行う焼肉の食事」の意味で用いられることもあります。
 例:「昨日ジンギスカンした」。
  〈ジンパ(=ジンギスカン・パーティの略称)〉と同義。


 特にお花見のジンギスカンを春の恒例行事としている道民は多く、サクラの開花時期になると、火気使用が許されていた円山公園などにたくさんの花見客がジンギスカンをしに詰めかけ、少しはなれた住宅地にまで肉の焼けるニオイや煙が流れてくるほどでした。それもまた地域の春の風情ではありました。

 そんな円山公園のジンギスカンですが、コロナ禍でジンギスカンのないお花見を経験したことにより、禁止に賛成する人が増えたとの見方(北海道新聞のアンケート結果)があります。コロナ禍を経て、北海道ならではの生活文化が少しだけ変わるのかもしれません。

 

●参考情報

・円山公園ウェブサイト
・北海道新聞

 札幌・円山公園 花見期間中の火気使用を全面禁止に(2024/04/04)

ファシリさんのエッセイ

すべての日本人は佐藤さん @くわもん

先日、久しぶりに大学時代の同級生である佐藤弘子さんと再会しました。彼女の姓が変わっておらず、今も「佐藤」であることを知り、彼女が独身を貫いていることに少し驚きつつも、何となく嬉しく感じ、独身の私は「あなたも結婚しなかったの?」と尋ねました。すると、「したよ。子供も一人いるよ」と彼女が答えました。つまり彼女は「佐藤さん」という男性と結婚していたのです。私たちはひとしきり笑い合った後、つい最近話題になったニュースを思い出しました。それは、“500年後、日本人は全員「佐藤さん」になる”というものです。

 

この問題は、日本の結婚制度を憂慮する大学の研究者が試算した結果です。日本には他の国にはない結婚の制度があります。それは、結婚するとどちらかの姓が相手の姓に変わるという夫婦同姓という制度です。大抵の場合、女性が男性の姓に変更します。例えば、佐藤弘子さんが山田一郎さんと結婚すると、山田弘子さんになるのです。女性が男性の姓に変わることについての是非をここで論じるつもりはありません。ただ、これは日本特有の事情によって日本人全員が佐藤さんになるという事態が起こりうる事象であることを興味深いと思ったので、皆さんに伝えたいと思いました。

 

「すべての日本人は佐藤さん」という状況が500年後に現実化するには3つの要素があります。一つ目は、日本人で一番多い姓が「佐藤」であること。二つ目は、日本の少子化が現在のペースで進み、人口が減り続けること。そして三つ目が、夫婦同姓の制度を続けることです。東北大学の吉田教授によると、このまま少子化が進むと、3310年に日本の人口はたったの22人となり、全員が佐藤さんになるだろうという試算が成り立つのだそうです。

 

夫婦同姓の制度について、日本では導入に向けた議論が長く続けられています。特に女性が普通に社会進出しており、ジェンダー平等の観点からその実現が強く望まれています。しかし、日本の伝統的な家族や男女の価値観が固定的でなかなか変わらないこと、また別姓にすることで起こる、子どもの認知や財産の相続などの行政上の課題などから、導入には様々な課題があり、いまだに議論が継続されています。

ファシリさんたち

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