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1.「第2定年」を定めることの必要性
2.「キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)」
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1.「第2定年」を定めることの必要性
平成30年4月から、いわゆる「無期転換ルール」が施行されています。
労働契約法18条1項により、同一使用者との間の有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新されたときは、労働者の申込みにより、有期労働契約が無期労働契約に転換することになりました。
そこで、事務上問題になるのが、有期雇用社員として採用した労働者との有期労働契約が、定年を超えて反復更新されて、5年を経過し、無期転換された場合です。
この場合、就業規則における定年の定めは適用されないため、心身の状況が業務に耐えられないなどの解雇事由が認められない限り、当該労働者を生涯雇い続ける必要があると解されています。
そうしたことから、このような場合には、紛争のリスクを回避するために、いわゆる「第2定年」を定め、一定の年齢に達したことをもって労働契約が終了することを明確にすることが望ましいといえます。
以下に、その規定例を示します。
(定年)
第○条 無期転換した社員の定年は60歳とし、退職日は60歳の誕生日の属する月の末日とする。
(2)前項にかかわらず、無期転換した社員のうち、定年後も引き続き雇用されることを希望し、解
雇事由または退職事由に該当しない社員については、別途定める嘱託社員再雇用規程に従って満
65歳まで雇用するものとする。
(3)前2項の規定にかかわらず、60歳を超えて無期転換した社員の定年は、65歳とし、退職日は65
歳の誕生日の属する月の末日とする。(第2定年)
2.「キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)」
この助成金は、法令上、健康診断の受診義務がない「週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の有期契約社員」を対象とした健康診断制度を新たに導入し、就業規則で定め、延べ4人以上に実施した場合に支給されるものです。
助成金額は、1事業所当たり38万円(生産性要件に該当するときは48万円)となっています。
対象となる健康診断は、以下の3つのうち、すべてを対象にしても、1つだけを対象にしてもよいことになっています。実際は、②の定期健康診断を対象にする企業が多いようです。
①雇入時健康診断
②定期健康診断
③人間ドック
助成金の支給申請は、対象となる有期契約社員延べ4人以上に健康診断を受診した日を含む月の給与を支払った日の翌日から2ヵ月以内に行います。
助成金申請の留意点は、以下のとおりです。
①雇用保険に加入していること
②法令で受診必須の項目を含む健康診断を受診すること
③事業主が健康診断の費用を全額負担すること
④計画書を提出する前に就業規則に当該条文を追加しないこと
⑤対象となる有期契約社員が受診した病院の健康診断費用の領収書(全員分)を提出すること
これまで対象外であったパートなどの有期契約社員に健康診断を実施することは、体調不良により、ミスや思わぬ事故に繋がったり、倒れて仕事が出来なくなることを未然に防止することにもなります。
健康診断の費用は大体1人あたり1万円弱が相場ですが、この助成金を活用することにより事業所の負担が軽減できます。
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