星めぐりコラム恒星編no19~レグルス こんにちは、ヒーリング&アストロロジーAngelicTwinkleのセラスリエです。 前回は獅子座の恒星ゾスマを取り上げました。今回は「獅子の大鎌」の下部にある「レグルス」についてご紹介しますね。 ペルシアのロイヤルスターの一つで、成立したのは紀元前3000年頃と言われています。 春分・夏至・秋分・冬至に太陽と共に昇る恒星が重視されて王家の星=ロイヤルスターとされていま した。 春分:牡牛座のアルデバラン 夏至:獅子座のレグルス 秋分:蠍座のアンタレス 冬至:南の魚座のフォーマルハウトになります。※歳差運動により、この春分・夏至・秋分・冬至の位置はずれていきますので現代では それほど重視されていません。 前回もご紹介しましたが、しし座のギリシャ神話についておさらい。ギリシャ神話の英雄「半神半人 のヘラクレス」が双子の兄エウリュステウス王に命じられて行った12の試練については聞いたこと のある方も多いのではないでしょうか。そのうちの一つ「ネメアのライオン」で退治されてしまうの が、獅子座のライオンです。 ロイヤルスターから、ネメアのライオンにまで地位が下がってしまうのですね。 レグルスの恒星占星学的な意味を見ていきます。 ブレイディによると『ライオンの心臓・成功するが復讐を避ける』とのこと。 ペルシャでは王の星と考えられていて、非常に強力な恒星です。軍事的名誉や高貴さ、成功などを象 徴します。松村さんによると、レグルスと縁を持つ人は「高いプライドを持つゆえに、不当な扱いを 受けた時に報復行動をとりやすく、それにより高い地位から失墜する原因を作ってしまう」というパ ターンが多いようです。 例としては、イギリスの軍事指導者オリバー・クロムウェルの名前が挙げられています。ピューリタ ン革命で王軍を破り1649年に国王チャールズ1世を処刑。護国卿となり軍事的独裁政治を行いま した。生涯ピューリタンを貫くという敬虔な面もありますが、苛烈な面もあったようで王政復古後に 遺体が冒とくされてしまいます。。 また、エジプトのセクメト信仰も、レグルスと関係が深いのだとか。セクメト神はライオンの頭を持 つ女性の姿をしています。人間が太陽神ラーに抗おうとしたとき、人間を罰するために遣わされたの がセクメトであり、人々と根絶やしにしようとしたのだとか。ラーが一計を案じて、セクメトをお酒 で酔わせることで人々が救われたのだそう。 セクメトをなだめることで、癒しと安定をもたらすことが出来る、とも考えられていたよう。 きっと、日本の神々の和魂、荒魂のようなイメージですね。 興味深いことに、4つのロイヤルスターはそれぞれ大きな才能を授けるけれど、強敵があるとのこ と。才能を発揮して成功するためには、試練を乗り越えなければならないのだと思います。「大きな 力には、大きな責任が伴う」ということでしょうか。 レグルスの場合は、高いプライドやパワー(古代で言うのなら軍事力かな)さらに獅子座ゆえに人を 引き付ける魅力やカリスマ性のようなものを授けてくれるのでしょう。そうした力をどう扱うの か・・・?プライドに振り回されてしまわないか、というテーマを感じますね。ちなみに、ロイヤルスターの一つ「牡牛座のアルデバラン」はすでに取り上げています。 商売やビジネスの成功、豊かさ、高貴さなどのイメージ。ゾロアスター教のアフラマズダーとも繋が りがありましたね。「神や信念に対して誠実であること」「軸を曲げないこと(妥協しないこと)」 がテーマのようです。 --------------<参考>ブレイディ『ブレイディの恒星占星術』 松村潔『トランシット占星術』 藤井 旭『全天星座百科』 |