恥ずかしさの向こう側
22日よりスタートするbig the grapeのツアーから
スーベニア以来となるデモ音源『FOR YOU BLUE』を発売します。
以前、ここで書きましたが
今回から音源制作のやり方が少し変わりまして
今までのバンド形態からサウンドプロデューサーを交えた形になりました。
それによって色々なことが変わりました。
以前の作品をもっている人はその辺も聴き比べてもらえればと思うのですが
例えばドラムの音。
全体的に今までより前面に出て、各フレーズが聴き取りやすくかっこいいですね。
あとギターのアレンジメントが綿密になって、随分音楽的になっております。
そして何よりもこの作品の大きな特徴は、歌がシングルなんですね。
歌がシングルといっても
なんのことやらさっぱりわからない思う人が多いので
簡単に説明すると、
世の中にある音源には、
録音のする際に同じ歌を全く同じように2回歌って、
それを重ねて合わせてリードボーカルとしているものがたくさんあるんですね。
全く同じ歌を2回歌うといっても1回目と2回目が少しずれてしまいます。
そのずれたものを重ねることで、倍音が足されて音が太くなったり、声がまろやかになって聴きやすくなったりするです。
この方法はダブル(で歌う)と言われていて、
ビートルズ時代のジョンレノンが始めたそうです。
これに対してシングルは、文字通り声をダブらせずに1回しか歌わない手法です。
ビートルズ以前の音源や
歌が上手い人や声がかっこいい人は
こちらのほうがよりリアルに聴こえるので、
シングルで歌う場合がありますね。
ダブルで歌う場合、上記の良い点のほかに
声の輪郭が少しぼやけてリアルな感じがなくなることで
なんとなく恥ずかしくなくなるという利点(?)もあります。
自分の声感が消えて、場合によっては上手く聴こえるのです。
ぼくの場合はかっこいい声も歌唱力も持ち合わせていないので
今までの録音物はほとんどがダブルで歌ってきたのですが、
今回はシングルで歌っているわけです。
これが実に恥ずかしく照れくさいんですなー。
今回の音源は、客観的に聴いてもらって良いものにしてもらうために
その辺の判断も全てサウンドプロデューサーの方にお任せして
できる限り口を出さないようにしてきました。
ぼくはそのプロデューサーを全面的に信頼しているので
その人が良いと思ったやり方であれば、なにも文句はないのですが
ただ、、、少しだけ恥ずかしい。
でも、ひょっとしたらその恥かしさが
ぼくらの音源を聴く人に対して、
何かしらの壁になっていたのであれば
ぼくは自分の恥かしさより、
そのプロデューサーを判断を信じて
より多くの人にぼくらの音楽が伝わればいいなぁと思いますね。
ま、いずれにせよ
購入をしてくれた方、これから購入しようと思っている方は
その辺の裏事情(?)も含めて、楽しんでもらえるといいですねー。