今月4日から第74回さっぽろ雪まつりが開幕になります。
札幌生まれ・札幌育ちの私は、子どものころから何回も雪まつりを見ているので、大人になってからはもう興味を失っていました。
さらに、開催期間中はハンパない数の観光客が押し寄せて、交通渋滞が起きたり、激混みの飲食店に入れなかったりするので、正直なところ「早く終ってくれ」と苦々しく思っていて、雪まつりは生活の邪魔をするものになっていました。
ところで、私は何かをつくることが好きです。仕事では文章や印刷物をつくり、仕事でなくても印刷物やウェブサイトをつくり、プランターではハーブを育て、余暇を楽しむゲームの中でさえ野菜や建物や機械(マインクラフトとかゼルダとか)をつくっています。このニュースレターも義務ではなく好きでつくっています。
ものづくり好きの人たちが生み出す作品も好きで、イベントに行っては同人誌やハンドクラフトなどを買ったりしています。
ある時ふと、「雪まつりってものづくりだよな……」と思い出しました。
きっかけは去年のテレビニュースです。大雪像を作っている自衛隊員が取り上げられました。彼らは業務として(無償で)雪像をつくっているのですが、その技術は職人の域に達しています。そして、ものをつくる人特有の目の輝きがありました。
実は学生の時、陸上自衛隊の雪像制作隊の手伝いをしたことがあります。19歳のバリバリの若者にとっても寒い中での力仕事はそこそこしんどく、参加が学校からの強制だったこともあってまったく気乗りしないまま終わってしまいました。
クラスの仲間と市民雪像もつくりましたが、これも同じく学校の指示だったので自発性ゼロ。とてもヘタクソで恥ずかしく、次に続くこともありませんでした。
せっかくの降って湧いたチャンスをもっと生かして、雪像づくりを楽しめばよかったと、今さらながら後悔しています。
雪が大量に積もるから雪像がつくれます。国際的なイベントになったから、たくさんの人に見てもらえます。見てもらえるから、製作に気合いが入ります。そんな力のこもった作品を地元民は気軽に見に行けます。
こんな恵まれた環境は札幌ならでは。それを楽しまないのはちょっともったいない気がしてきました。邪魔者扱いしてごめんね、雪まつり。
今年は、3年に1度のトリエンナーレ「札幌国際芸術祭 SIAF2024」が雪まつりを含む会期で開催中。雪まつりド真ん中の大通2丁目も会場になっていて、2024年冬の札幌では雪像はもちろん多彩なアートも満喫できそうです。