◆法改正や施策情報、助成金情報などを中心に、定期的に配信しています。
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1.労災保険法の一部改正について
2.人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)
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1.労災保険法の一部改正について
副業・兼業については、政府の調査報告によると、容認している企業が14.7%にとどまる一方、本業も副業も雇用者である者数は、平成4年の75.7万人(雇用者全体に占める割合は1.4%)から平成29年には128.8万人(同2.2%)と増加しています。
こうした中、複数就業者の労災事故(通勤災害を含む)が発生したときの給付が不十分ではないかという議論があり、以下のような改正が行われました。
施行予定日は、公布の日から起算して6カ月を超えない範囲内において政令で定める日となっています。
①複数事業労働者に対する新たな保険給付の創設
業務災害に関する保険給付及び通勤災害に関する保険給付と並び、複数事業労働者の複数事業の業務を要因とした負傷、疾病、障害又は死亡に関する保険給付を創設するものとすること。
②給付基礎日額の算定方法の特例
複数事業労働者の業務上の事由、複数事業労働者の複数事業の業務を要因とした事由又は通勤による負傷、疾病、障害又は死亡により保険給付を行う場合は、当該複数事業労働者を使用する事業ごとに算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額を基礎として、厚生労働省令で定めるところによって政府が算定する額を給付基礎日額とするものとすること。
実際に、副業・兼業をする従業員に労災事故が発生したときの手続きの流れを考えると、自社で発生した労災事故でなかったとしても、②において給付基礎日額を算定するための賃金等の情報を何らかの形で提出することが求められることになることになります。
この点については、労使の負担軽減のため、災害発生事業場の証明事項を可能な限り活用し、非災害発生事業場における証明事項を必要最低限にとどめる等の対応を検討するとされており、今後運用に関する詳細が示されることになっています。
厚生労働省(労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料):
「複数就業者に係る労災保険給付等について(報告)」
2.人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)
働き方改革の中でも対応が難しい「同一労働同一賃金」への対策として、人事評価制度の導入を検討している企業も多いかと思います。
少なくとも賃金が2%アップすることが要件となっているため、従業員のモチベーションアップと離職率の改善が期待できます。
最大130万円の助成金を受給することができ、会社にとってもメリットが大きい助成金です。
この助成金は、人事評価制度等整備計画を作成し、管轄の労働局に提出し、計画認定後に人事評価制度を実施し、2%以上の賃金アップを実施すると、助成金を申請することができます。
支給される助成金には、制度整備助成と目標達成助成の2種類があります。
制度整備助成は、生産性向上のための人事評価制度と2%以上の賃上げをする賃金制度を整備、実施した場合、50万円支給されます。
目標達成助成は、制度整備助成を支給され、計画認定申請から3年後も人事評価制度が継続運用されており、離職率の目標達成や生産性要件を満たしている場合、80万円支給されます。
計画届の申請方法は1つですが、支給申請の方法は「原則的なケース」と「例外的なケース」の2種類があります。
大きな違いは2つあります。
1つ目は助成金の支給申請時期です。「例外的なケース」のほうが早く助成金の支給申請ができるため、「例外的なケース」を選択する事業主が多いようです。
2つ目は賃金増額をする社員数です。「原則的なケース」は、対象労働者全員の賃金が2%以上増額している必要があるため、賃金据置きの社員が1名でもいれば認められません。
なお、どちらのケースも賃金が1円でも減額されている対象労働者がいれば、助成金を受給できません。
中小企業が自社で人事評価制度等を作成するのは難しいと思われます。
本助成金で人事評価制度等の作成費用の補填ができるため、外部の専門家に依頼しようと考える中小企業にはおススメの助成金です。
厚生労働省:
「人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)を活用してみませんか?」
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