マナビダネたより 第13号

 2023年 8月18日(金)発行 

このメールは特定非営利活動法人マナビダネの会員の皆さまと、マナビダネのスタッフと名刺交換などをさせていただいた方へお送りしております。

月1度、毎月15日ころの発行予定です。

特定非営利活動法人 マナビダネ メールマガジン2023年 8月  第13号

 

ーーーー目次ーーー  

 

  1. 代表のつぶやき        

  2. 7月15日以降の活動報    

  3. 今後の活動         

  1. 理事リレーエッセイ(宮崎)

  2. マナビダネサポーター募集中

  3. 編集後記         

1 代表のつぶやき

 夏休みはいかがお過ごしですか?

 

私は7月末に、「ぼくたちの哲学教室」という映画をみました。

世界各国で映画賞を受賞している作品と知っていましたが、想像した以上に心に響く内容でした。そこで今回は、映画の紹介と、「哲学的な対話」が子どもの教育で導入される意図について少しだけ書かせていただきます。

https://youngplato.jp/ 

 

「ぼくたちの哲学教室」は、北アイルランドの男子小学校で実践されている哲学の授業を、2年間にわたり記録したドキュメンタリー映画でした。

この北ベスファストという地区は、プロテスタンとカトリックの対立が長く続いており、ここに住む大人たちには、銃撃戦を日常的に身近で体験した生々しい記憶があります。そして現在もなお一部の武装組織が存在しており、平和維持が難しい地域であり、貧困やドラック、若年層の自殺などの社会的な問題も抱えています。

 

宗教的・政治的対立と分断が残るこの街で、4歳から11歳の子が通うホーリークロス男子小学校のケヴィン校長は、哲学対話を通じて子どもたちに考える力を育てる教育を実践しています。彼は、若いころの自分が行ってきた力で暴力に対抗する方法を悔いており、自分の行ってきたことへの恥の意識と自責から、2013年の秋から小学校に哲学を導入しました。そして、生徒たちが人生で何が起こっても対処できるように、「自分で考えて、考えて、答えを出すこと」を、哲学という道具を使って子どもたちをに育しています。

 

私がこの映画で最も感動したのは、校長と生徒たちによるサイコドラマ(即興劇の方法を用いた集団心理療法)でした。

「パパは、相手に殴られたら殴り返せ!ていうんだ」と、主張する暴力的な行動をやめることができない子どもがいました。この子は個別の哲学対話を受けても、その言動が変わることはありませんでした。

 

そこで、校長はこのサイコドラマで、自分が子どもの役になり、別の生徒が父親役を演じながら、「やり返すこと」に対する答えを生徒たちの目の前で共創していきました。

 

「“やりかえせ”って言っただろ!」と怒鳴る親役の生徒に対して、校長は息子役として、「僕は誰も殴りたくない。先生や仲間に相談して解決したい。」と、自分の意見を伝えようと対話を重ねていきます。そして、「おやじにも相談したいから、殴れと言わないでほしい」という子どもの意見を父親が承諾するだけなく、親子互いの愛情を確認する形でこのドラマは終わりました。

 

ケヴィン校長は、「たとえ親であってもすべてを疑問に思い、自分なりの答えを導きだす」ことを勧めています。また、教師が優れた回答を提示したとしても「最終的に自分自身で再評価すること」を子どもたちに促します。

 

子どもは親の言うことに従います。

子どもが親の権威に従うのは、親が怖いからなのかもしれませんが、多くの子どもたちは親が好きだから親の反することはしたくないではないでしょうか。

 

だからこそ、親は「わが子であっても考え方や意見が違うのは当たり前」という認識を持ってほしいと思うのです。

小さい子どもであっても、信念や価値観の違いにドキッとすることもあります。

そんな時は、どうか子どもの言葉を遮ることなく、子どもの話に耳を傾けてほしいと願います。その話が間違えていると感じても、まずは子どもの話をしっかり聞くこと、その子の思っていることを受け止めることが大事だと知ってほしいのです。「この人はしっかり聞いてくれる」という安心感があるから、その先の対話ができるのです。

 

そして、大人は正しいことを教えてあげる人という立場ではなく、「貴方の意見も私の意見も尊重するよ」という人として対等な人間関係のもとに対話していくことが、子どもたちの考える力と、答えを出す力を育んでいくのだと思います。

 

マナビダネとのかかわりのある学校に馴染めない子どもたちには、こうした「自分の力で対処していくための考える力」は、この先の人生をよりよく生きるためにはとても必要です。

 

残念ながら、私やマナビダネのスタッフには、哲学的な対話をする術も知識はありません。

 

しかし、いろいろダネという活動の中では、大人と子どもは対等であるという関係性を持ち、横並びの立場でさまざまな体験の共有や、対話を重ねることにより、子どもたちは自分の感情や意見を尊重していける場をつくることは意識的に行っています。

 

また、MTG(ミーティング)というプログラムの時間に、「最後まで人の話を聞くこと」「人の話を否定しないで聞くこと」「自分の意見に自信をもつこと」という3つのことを体験的に習得できるよう努めています。

こちらの狙い通りにいかないMTGも多いですが、1年続けてきて、会話や対話を試みたことの効果はあると自負しています。

 

今のマナビダネは課題が山盛りかもしれませんが、「ぼくたちの哲学教室」という映画から、「マナビダネのしている子どもたちの関わりはとても必要なことなんだよ」と言ってもらえたように感じました。

 

みなさまも、ぜひ、こちらの映画ご覧ください。
 

 

代表 土橋

2  7月15日以降の活動報告

【クッキング】

 夏休み前の最後の日、いろダネクッキングは【自分だけのサンドウィッチとプリンアラモード】を作りました。

 「サンドウィッチの中身は?」「どんなプリンアラモードにする?」とそれぞれ考え、自分なりにイメージし、材料をそろえ、道具を準備し、一人で調理しました。

 出来上がった時には達成感を感じるようで、「見て見て」と嬉しそう。

 

「こうするとおいしい」「こう盛り付けると綺麗」というこだわりをもって作る、素敵な一面を見せてくれる子もいます。大雑把に作るけれど、とても美味しそうにもりもり食べる子もいます。

 

 いろダネクッキングを経験し、家でも調理をするようになった子もいます。

 生きる力が身についています♪

 

【夏フェスティバルに参加しました】

  いつもお世話になっている青少年活動センターの夏フェスティバルに参加しました。

 マナビダネはゲームコーナーを担当。

 流しそうめんで培った技術を生かし(?)、そうめん代わりに豆やスーパーボールを流し、お箸でキャッチしてもらうというゲームを開催。

 今回、いろダネキッズや保護者の方たちにもご協力いただき、ゲーム屋さんは大盛況でした。

 

 交代で冒険遊び場で遊んだり、スライムを作りに行ったり、いつもいろダネにボランティアに来てくれているお姉さんのお店に行ってジュースを買ったりと楽しい一日を過ごすことができました。

 

 楽しそうな子どもたちの笑顔をみて、地域の中で子どもが育つことの大切さを実感しました。

 このようなあたたかな地域で活動できることに感謝です。

4 9月の活動 

【いろいろダネの活動】

  

★8月の活動

8月はいろダネは夏休みです。

 

8月28日(月)いろだね+

 

【部活動】

・マイクラ部 8月29日(火)13:30~15:00@オンライン 

 

【各種イベント】

8月21日(月) プログラミング体験③

8月20日(日) 『不登校は不幸じゃない』のイベントの入間会場になっています。

 

8月20日のイベントは、全国47都道府県同時に開催されます。当日は、事務局から配信されるライブを見ながら、プチ座談会を実施する予定です。

不登校を経験した親子さんや、不登校傾向のある親子さんでお話ししたいと思います。

イベントの詳細はこれから決定するので、企画からご興味のある方は、ぜひご連絡ください。参加だけ…でも歓迎です。
https://forms.gle/iRdEPcGkDrHwavjL9

 

★9月の活動

【】

〈9月のいろダネテーマは【水】

 たくさん水で遊びながら、水の不思議に迫ります。〉

9月4日(月)いろだね+

9月5日(火)2学期開始【変なのみもの選手権!】

9月7日(木)

9月11日(月)いろだね+

9月12日(火)マイクラ部

9月14日(木)

9月19日(火)

9月21日(木)

9月25日(月)いろだね+

9月26日(火)マイクラ部

9月28日(木)川遊び

 

 

       

 LINE公式でもご案内しています。

ご登録がまだの方は、ぜひ友達追加をしてください。

https://lin.ee/apx2Gs5

4 マナビダネ理事のリレーエッセイ 12

宮崎 信子

 保育専門学校の学生に、ゼロ歳児の姿をDVDで紹介することがあります。よく観てもらう内容は、ひたすらクッキーの入っていた缶のふたを回し続けるAくんの様子です。

 

 缶のふたを手に取ると、手首をちょっとひねるようにして投げます。それがクルクルと回り、やがて止まります。ハイハイでその缶のふたに近寄り、また手にして回す。その繰り返しが7分以上続くのです。Aくんの最近のお気に入りの遊びなのでしょう。

 

撮り手も周りにいる保育者も、「Aくんがまた始めたぞ…」といった温かい雰囲気の中、どっぷりと缶のふたを回すという遊びに浸っているAくん。Aくんはゼロ歳児です。言葉は一言も発することはありません。

 

しかし、Aくんなりの手応えを感じたのでしょうか、カメラに視線を向けるときがあります。

私には、「ほら、見て見て。今度はこうなったよ」といったAくんの心の声が聴こえてきます。考えなしに放り投げているわけでは決してないようです。床の方で回り、止まった時には大きな音も聞こえます。時々、カメラで撮っている保育者がAくんに投げかける言葉にも耳を傾けているようにも見えます。同じ行動を7分以上も繰り返すという集中力にも驚かされます。缶のふたが変形しつつあることから、毎日繰り返していると推察できます。

 

まだ、立ち上がることもできない、話すこともできないゼロ歳児のAくんが、自分で見つけた遊びに夢中になっている姿を学生と一緒に観ながら、私は毎回、毎回、感動してしまいます。

 

Aくんはこの缶のふたを回すという遊びから、様々なことを学んでいます。

この形は立って回るんだ・しばらくすると徐々に止まりだすんだ・ここで回すと大きな音がでるんだ…など、いろいろなことに気づいたり、確かめたりしています。自分の力の加減や、手首のひねり方なども変えているように見えます。繰り返し試す、集中する、といった非認知的な学びもうかがわれます。また、自分のこの遊びを認めてくれる大人の存在を感じ、安心した空間の中で楽しんでいます。そして、別の場面では、缶のふたではないものも同じように投げてみている様子もあります。次の遊びへとの発展していくことが予想されます。

 

「遊び」とは、「やりたいことをやる」ということです。

乳児だろうが、幼児だろうが、児童だろうが、生徒だろうが、大人だろうが、「遊びに夢中になる」ことは、人生においてとても意味のあることだと思います。自分がやりたいことにどれだけ出会えるか、出会えた時に、とことん楽しめるような環境にあるか、その楽しさを共有できる相手が傍にいてくれるか…。そんなことを真剣に考え、アクションしていける大人でありたいと思っています。 

5 マナビダネサポーター募集中

活動を支えてくださるボランティアの方を募集しています。

また、継続活動が行えるための、ご寄付をお願いしております。

 

【ボランティア募集中】

 

子どものたちのための活動を共にしていただけるお仲間を募集しています。

  プライスレスな経験や感情が味わたり、子どもと共に大人も成長していける活動であると思います。

 

ご興味のある方は、ぜひご連絡ください。

見学参加も大歓迎です。

 

 募集しているボランティア内容 

・火曜日・木曜日の活動補助

・マインクラフト部の運営とサポート

・学習支援ができる方

・簡単な経理ができる方

 

大人の方は無償ボランティアをお願いしています。学生さんには交通費をお支払いします。

 

詳細は、こちらでご確認ください。

ボランティアの方へお願いしていることは、こちらでご確認いただけます。

 

 
応募フォーム
 

【ご寄付のお願い】

 

不登校の子をもつ親、特に母親は、自身の働き方を変えざるを得ない状況になることが多いです。

 1人での留守番が難しい低学年の時期に不登校になることで、離職や転職をする保護者の方も少なくありません。加えて、家庭の母子家庭などが少なくないこともわかりました。

 

一方で、不登校の子どもがいる家庭は、フリースクールや、学校代わりに塾や習い事に通わせるなどの支出が増えます。

 

 つまり、予想外の教育費が発生するのに働けなくなるという状況に追い込まれてる、学校外の学び場に行かせたいけどお金が払えない、ということが「不登校家庭」の抱える大きな問題の一つです。

 

子どもは社会の宝です。未来の支え手になる子どもたちのために、私たちの活動を支える仲間になっていただければとてもうれしいです。

 

 
活動の紹介サイト

6 編集後記

 夏休みでいろいろダネもお休みです。

 しかし、センターの夏フェスに一緒に参加したり、マイクラ部のオンライン上で会えたりする等、時々子どもたちの顔をみることができ、元気をもらっています。

 2学期から月ごとのテーマを決めて遊んでみる、という新しいチャレンジをしていきます。

 どうなるかな?とわくわくしています。

 興味がある皆さん、是非遊びに来てくださいね。(山下)

最新情報をメールでお届けします
配信登録
埼玉県入間市内で活動中
050-3155-5828

SNS でシェア

Facebook でシェアX(Twitter)で共有

HPはこちらから!  
このメールは Wix で作成されました。‌ サイトを見る