逆境の中で行われた総選挙。

私たちは傷つき、挫折を味わいましたが、同時に大きな成果も得ました。

また次の課題も見えてきました。

今が踏ん張りどころです。

これからもシスターフッドの力を

結集し続けましょう。

 

11月のメールマガジン

We believe in SISTERHOOD

                                                                                     2021/11/22  vol.5

 アジュマブックス・メールマガジンをご購読いただきありがとうございます。

 

 先月末の衆議院選挙では4野党共闘の結果、議席を13減らし、維新の躍進のために、改憲に必要な3分の2以上の議席を許してしまい、女性たちは傷つきました。しかし時代は着実に変わってきています(詳しくは11月11日に開催されたフラワーデモオンラインを是非、ご覧ください)。

 

 短い選挙期間にも関わらず、4野党共闘で、与党の大物議員が大幅に得票数を減らし、小選挙区では議席数を伸ばし、与党が落選や敗退。多くの選挙区が接戦でした。結果、比例を加えた全体の数字では与党に比べ、議席を失う数(▲12vs▲13)は1議席しか差がありませんでした。

 

 4野党共通政策の6つの柱の一つに、ジェンダー平等が掲げられました。選挙の争点になったことは画期的なことです。これは2019年から続いてきたフラワーデモなどの女性たちによる運動がもたらした成果ですが、日本のマスコミはほとんど報道していません。

 

 国民審査では、夫婦別姓を認めない、現在の民法は「合憲」とした4裁判官への罷免要求が突出しました(「違憲」裁判官3名より平均で43万票あまり「×」が多い)。また夫婦別姓と同性婚に反対する議員も、小選挙区で47.5%が敗退しました(比例復活を除くと28.3%が落選)。これはヤシノミ作戦などのSNSによる呼びかけがもたらした成果でした。

 

 これまでにない女性たちが団結した熱い選挙戦、女子学生たちからのリアルな応援にも関わらず、女性議員数は2名減ってしまいました。しかし、その結果、直前の候補者決定のプロセスや比例名簿順位の是非が議論されるようになってきました。

 

 これらの成果から目を反らせようとする、ネガティブキャペーンにめげている場合ではありません。

 

 来年の夏の参議院選挙までに解決すべき課題がたくさんあります。

 

 参院選は125議席中、1人しか当選しない1人区が32もあります。マスコミは野党共闘が失敗だと言い立てていますが、共闘しなければ野党同士で票が分散し、さらに議席を失っていました。マスコミの批判に怯むことなく、4野党共通政策の実現、とりわけジェンダー平等の実現を目指していきましょう。

 

 そのためには女性議員を増やさなければいけません。衆院選ではそもそもの候補者が増えませんでした(186人、17.70%。前回は209人、17.71%)。候補者が少なければ当選者が増えるわけがありません。そして比例の順番の決め方も問題です。現役優先というと一見公平そうに見えますが「現役優先」はつまり、旧来の「男性優先」維持ということなのです。衆院選で弱かった比例票を再び失わないためにも、ここは「女男同等」を強く要求していかなくてはなりません。

 

 性暴力根絶、リプロの問題解決、憲法改正の阻止は、政治の問題なのだと訴える運動をさらに強く展開し、これらの問題を解決しなければ、女性議員を増やさなければ、参院選では勝てないと訴え続けていきましょう。

 

 2017年、明治40年の制定以来110年ぶりに大幅改定した性犯罪法ですが、「暴行・脅迫要件の見直し(不同意性交罪の導入)」や「性交同意年齢(13歳以上)の引き上げ」に加えて、「セクシャルハラスメントへの罰則付きの措置をもった禁止法の制定」など、多くの課題が残されています。法務省の2回目の法制審議会は11月29日です。関心を集めていきましょう。

 

 そして、家父長制維持のため、女性の人権がないがしろにされている「リプロの問題」も忘れてはいけません。女性が自分の体のことを自分で決められないのは、女性への性暴力の一形態です。堕胎罪の廃止、中絶の配偶者同意要件の削除、安価で安全な経口中絶薬などの認可を、強く求めていきましょう。

 

 さらにゆゆしき問題は憲法改正問題です。前文と9条の改正がクローズアップされていますが、24条(家族生活における個人の尊厳と両性の平等)改正はジェンダー平等を脅かす、時代に逆行した危険な改正(個人尊重から家制度尊重へ)です。先進国に追いつくつもりがないどころか、後進国化、戦前の男尊女卑の社会に戻そうというものです。改憲の国民投票を求める維新が加わり、改憲派は3分の2以上になってしまいました。参院選では何としてでも阻止しなければなりません。

 

 参院選まであと8ヶ月しかありません。

 

 ひとりひとりの尊厳が守られるにはジェンダー平等と平和が必須の条件であるということをよくよく確認して、来年7月の選挙に立ち向かいましょう!

 

お知らせ
 

<『中絶がわかる本 

MY BODY MY CHOICE』は

12月発売に>

 

 前回のメルマガで11月発売とお伝えしておりましたが、発売が遅れております。只今、鋭意編集作業中です。もう少々お待ちください。

 

 私のからだは私が決める! 

 

 世界中で毎年、何万人もの女性たちが危険な中絶のために命を落としています。世界のフェミニストたちが戦ってきた歴史を通じて、豊富な資料と共に中絶について学ぶ、ティーンエイジャー向けの性教育と人権の本を発売します。

 

 生殖に関する「健康」と「権利」は、WHOをはじめとする国連や国際機関も提唱していますが、日本では教育、法律、医療など、様々な壁に阻まれ、実現していません。

 

 実現のためには何よりも「知る」ことが重要です。本書を読むことによって、正しい知識だけでなく、女性たちが戦ってきた歴史に励まされる連帯感と心理的罪悪感からの開放感を得られるでしょう。日本の現状もあらたに加筆してお届けします。

 

「中絶前、中絶中、中絶後の10代の頃にほしかった本です。本書を手にしていれば、私は孤独を感じず、力を与えられたと思います」(「私たちは証言する」の創設者、レニー・ブレイシー・シャーマン)

 

受賞多数!

2020年シーラ・A・エゴフ児童文学賞

2019年カーカス・レビュー ベストブックス

2019年米国の学校図書館向け雑誌SLJ(School Library Journal) ベストブックス

2019年カナダ児童書センター『子供とティーン向けのベストブック』 星付き選書

2019年国際推薦児童図書目録『ホワイト・レイブンズ』選書

 

 ロビン・スティーブンソン著 

塚原 久美 訳 福田 和子 解説 北原 みのり 監修

↓

https://www.ajuma-books.com/中絶がわかる本

<10月26日の『しんぶん赤旗』の「潮流」欄で『ハヨンガ』が紹介されました!>

 

 衆院選直前の『しんぶん赤旗』の1面。激しい選挙戦が繰り広げられていた総選挙記事の下に、『ハヨンガ』を紹介するコラムが掲載されました。日本の性暴力が海の向こうの韓国まで及んでいる実態とジェンダー平等の重要性が語られています。

 

 「潮流」は「しんぶん赤旗」のサイトからお読みいただけます。

↓

「きょうの潮流」

<10月30日の『東京新聞』『中日新聞』夕刊の「土曜訪問」欄に『ハヨンガ』の翻訳者・大島史子さんのインタビューが掲載されました!>

 

 ハヨンガを翻訳したくなった動機や、日本語に潜む男女差別、3代続くフェミニスト家系など興味深い話題がいっぱい。

 

 「東京新聞」のサイトから記事がお読みいただけます。

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自分の「怒り」信頼する 韓国の小説『ハヨンガ』を翻訳 大島史子さん(翻訳者・イラストレーター・漫画家)

<11月12日の『イルダ』に北原みのりのロングインタビューが掲載。アジュマブックスの話題も!>

 

 韓国のインターネット・フェミニズム雑誌『イルダ』に北原みのりのロングインタビューが掲載されました。丁寧な取材で、これまでの活動の歴史、慰安婦問題をはじめとする日本と韓国の交流、ラブピースクラブやアジュマブックス立ち上げのいきさつなど大変読み応えのある内容です。是非、ご一読ください。

↓

韓国フェミメディア ILDAに北原みのりのロングインタビューが掲載されました。

 

 韓国語ですが、Google Chromeの翻訳機能を使えば日本語で読めます。詳しくは

↓

Chrome の言語の変更とウェブページの翻訳

<11月からアジュマブックスの電子版が購入できる電子書店が拡大しました!>

 

 これまでkindle、楽天koboのみで販売しておりましたアジュマブックスの電子書籍でしたが11月から購入可能書店が拡大に。

 

honto

Kinoppy

ヨドバシ・ドット・コム

music.jp

COCORO BOOKS

どこでも読書

やまだ書店

dマーケット BOOKストア

VarsityWave eBooks(大学生協)

 

 さらに11月22日からは電子図書館がアジュマブックスを購入可能になります。

 

 電子図書館リストはこちら

 

 「LibrariE&TRC-DL」もしくは「TRC-DL」の図書館が対象なので、ほぼ網羅しております。お住まいの地域に電子図書館がございましたら、是非、申請リクエストをお願いします。

アジュマブックス

関連イベント

 

●10月28日 

 中絶薬についてもっと話そう⑫ 日本における中絶薬承認を前に:課題を検討し要望を考えるワークショップ

 

 世界で普及している経口中絶薬。日本の薬事承認審査では、何を要望していくべきでしょうか。問題提起を塚原久美さんによる問題提起が行われ、後半は少人数のグループに分かれて話し合いが行われました。

↓

https://www.youtube.com/watch?v=xx6ynuDbY9U

 

アジュマブックス関連番組

 

●11月3日 

「今夜もフェミテレビ」〜衆院選2021総括スペシャル〜

 

 フェミニストの女性6名、福島みずほさん、グラビア女優#KuToo発起人の石川優実さん(今回はお休みです)、社民党全国連合労働・女性問題・多様性政策委員長の大椿裕子さん、市民運動家の菱山南帆子さん、 会社員・フェミニスト#検察庁法改正案に抗議します発信者の笛美さんと北原みのりが、毎月最終日曜日の夜に、ジェンダー平等について語り合う、いまや全国に視聴者が広がったインターネット番組。

 

 10月31日は投票日ということで、日本国憲法が公布されて75年目を迎えた11月3日に日程変更。今回の衆院選総括を行いました。憲法改正派を勢いづかせてしまう維新の躍進について、女性候補者に行われた嫌がらせ、イメージ戦略などを分析し、今後の対策を打ち立てます。

https://www.youtube.com/watch?v=RW5Mn8X04W0&t=4s

 

 

●11月4日 

「ラブピースクラブの生理トーク Vol.2」生理オタクがはじめた世界を変える試み。ムーンパンツ開発者×伊藤詩織さんのトークセッション

 

 生理トークで国際交流という企画。第2回はムーンパンツ開発者であり、月経カップ「フルムーンガール」のデザイナーでもある「生理オタク」のユアン・イーさんと、ジャーナリストの伊藤詩織が語る、生理の話し。

 

 吸水ショーツの選び方や生理のイメージを変えた台湾のCMの話、使い捨てでないことによる利点、障害者にも支持されていることなど様々な話題が交わされました。

↓

https://www.lovepiececlub.com/column/17216.html

 

 

●11月11日 

「FLOWER DEMO 2021.11.11」

 

 性暴力のない社会を求めるフラワーデモ。東京はオンラインで開催。性犯罪の刑法改正を来年に控え、寺町東子弁護士、ライターの小川たまかさん、角田由紀子弁護士、岡村晴美弁護士が、これまでの論点の整理と、女性たちの運動が「議論」を変えた歴史、総選挙の成果と課題、共同親権問題などについて解説いただきました。

↓

https://www.youtube.com/watch?v=hZg_NLSQXgI&t=201s

 

 

●11月18日 

「『バリバラ』 “生理”を語ろう! (1)“障害×生理”誰にも言えなかった悩み」(NHK Eテレ)

 

 まだまだオープンに語れない「生理(月経)」の話。多機能トイレを探す苦労や介助者への遠慮など、障害のある女性の悩みは切実です。大丸梅田店にあるラブピースクラブ店舗「MOOND」のスタッフ中久保希穂さんが出演し、生理を快適にするグッズを紹介しました。

↓

https://t.co/r0fjRudQ3r?amp=1

(11月25日(木) 20:29までTVerで視聴可能)

 

書評紹介

 

 ラブピースクラブのラフォーレ原宿のスタッフによる「根のないフェミニズム」レビュー

 

 ふだんの生活の中で感じる、女性ゆえの恐怖と怒り。「被害者になりやすい女性がなぜ行動を制限され、自分を責めなきゃいけないんだろう。なんでこんなオドオド生きなきゃなんないの!??ふざけんな!!!」理不尽さを受け流すことに慣らされた実体験の一つ一つに共感しまくりです。ぜひご一読ください!

↓

あまりの女性嫌悪にフェミニストにならざるを得なかった女性たちが綴った戦いの記録。アジュマブックス出版書籍【根のないフェミニズム】

 

*メルマガ読者の皆様も是非、ブログ、SNS、アマゾンレビューなどで感想をお聞かせください。短いコメントでも結構です。よろしくお願いいたします。

 

メディア掲載

 

『 シモーヌ』(現代書館)Vol.5(特集:「私」と日記 生の記録を読む)11月22日発売

 

 雑誌感覚で読めるフェミニズム入門ブック 「シモーヌ」。Vol.5のブックガイドページで 『根のないフェミニズム  フェミサイドに立ち向かったメガリアたち』 が紹介されています! 是非、ご一読ください。

↓

https://gendaishokanshop.stores.jp/items/6183951e4e808205b9a78530

 

 

今後のイベント予定

 

●11月28日

「今夜もフェミテレビ」20時〜YouTube配信

 

新刊予定

 『大韓民国フェミニストの告白(仮)』

 

 20代から60代までのフェミニストによる珠玉のエッセー集! 江南駅殺人事件をきっかけにあちこちで「フェミニズム」と「フェミニスト」に出会えるようになった韓国。しかし女性の日常は具体的にどれだけ本当に変わったのか? フェミニスト宣言したばかりの者たちは往年のお姉さんたちが今どうしているのか知りたいと言い、一方お姉さんたちは若い世代がどんな過程を経てそんなにも勇敢に激烈に最後までくじけずにフェミニズムを叫び続けているのかを知りたがっていた。『ハヨンガ』著者チョン・ミギョン、『82年生まれ、キム・ジヨン』キム・ナムジュなど26人が寄稿する得がたい一冊! 2022年1月発売予定。

 

アジュマブックスメールマガジン

第5号、いかがだったでしょうか?

 

 今回の衆院選は、解散から投開票日までの期間が戦後、最も短い17日間しかなく、投票所の3分の1が閉鎖時刻を繰り上げ、民主党略称問題、島根1区の同姓同名の主婦立候補問題、SNSとは対照的に選挙戦についてのマスコミの報道が少ない(ワイドショーの衆院選放送時間では総裁選の4割減)、女性候補者に向けてDAPPI的な怪文書が大量かつ執拗にネットに出回り、経済優先&ジェンダー問題は贅沢オプション扱い、女性候補者は比例名簿の下位にされたり、直前に不利な選挙区にお国替えさせられたりなど、逆境だらけの中、私たちは本当によく闘いました。偉かった。

 

 ジェンダーギャップが解消されず、優秀な人材が流出し、先進国から脱落し、日本が成長から取り残されてしまったことで、実は男性も追い詰められています。日本の没落を認めたくない人たちからの不満が今、女性や弱者に向けられています。

 バッシングが強ければ強いほど、ジェンダー問題の認知度が上がった証拠。私たちは自信をもってよいのです。嫌がらせには倍返し(笑)。今回得た成果と課題を噛み締めていきましょう。

 

 

 アジュマブックスは女性のために、これからも声を上げ続けていきます。

 

 皆様からのコメント、ご要望、ご質問、お悩み、何でも結構です。お待ちしております。

 

 

シスターフッドの出版社

アジュマブックス

 

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