Metaphysica Colum
このメルマガでは Arganza Family の仲間たちによるコラム/エッセイを掲載しています。更なる豊かな世界の広がりを、ぜひご一緒に。
今週は セラスリエさんの星めぐりコラムです。
星めぐりコラム恒星編〜ゾスマ
こんにちは、ヒーリング&アストロロジーAngelicTwinkleのセラスリエです。
前回&前々回と星めぐりコラムでは5月の木星ふたご座入りでフォーカスしていた「ふたご座」の恒星を取り上げました。
『ふたご座は、光と闇、表と裏などの精神の二面性を象徴している』『神聖なるものが地上に触れるときはダメージを伴う』という事でしたね。
今年は、お盆休み期間に2つの台風や宮崎や神奈川、茨木での地震。南海トラフ注意情報まで。大変な夏でしたね。
私は獅子座(というか、その支配星となる太陽)にフォーカスしていましたので、獅子座の恒星を取り上げてみたいと思います。
しし座はお馴染みの黄道12星座の一つ。春の星座に分類されています。「獅子の大鎌」の下部にある「レグルス」がロイヤルスターでもあり有名なのですが、今回フォーカスするのは獅子の背中にある「ゾスマ」です。
しし座のギリシャ神話についてご紹介しますね。ギリシャ神話の英雄「半神半人のヘラクレス」が双子の兄エウリュステウス王に命じられて行った12の試練については聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。そのうちの一つ「ネメアのライオン」で退治されてしまうのが、獅子座のライオンになります。
紀元前6000年〜3000年までは、獅子座は夏至の太陽と同時に昇っていて、エジプトではセクメトやナイル信仰とも結びついていたようです。一方で、獅子座が夏至に昇らなくなっていくと重要性を失い、ギリシャやローマでは「ネメアのライオン」として認識されるようになっていきます。
ゾスマの恒星占星学的な意味を見ていきます。
ブレイディによると『犠牲になる』こと。
ゾスマと縁を持つ人は「社会や大きなシステムによって犠牲になる」というパターンが多いようです。
例としては、アメリカの第35代大統領ジョン・F・ケネディの名前が挙げられています。43歳という若さで大統領に就任。短い任期の間に人種差別の撤廃に取り組む、キューバ危機への対応で第3次世界大戦を回避するなどの功績で知られていますが、パレート中の銃撃により亡くなりました。
松村さんによると「自分が犠牲になれば良いのだ」という考え方に陥りやすいので注意が必要とのこと。一方で、社会福祉や介護などの福祉の分野では有効に働きそうです。
それで。私はArganzaさんの太陽のトリニティの伝授を受けさせて頂く中で「自分を取り戻す」というテーマを感じていました。その過程で「(知らないうちに)自分を犠牲にしていたことに気付かされる」という出来事もあったのですよね。私個人としてはゾスマとの繋がりは見られないものの、人としての原型レベルで持っているようなパターンなのかも知れませんね。
また、獅子座について調べていく中で、興味深いと思ったことをご紹介させてください。
エリザベス・ハイチ著の「イニシエーション」という本では、古代エジプトについて綴られています。
その中で、王族が乗っているのは馬ではなく、ライオンなんですよね。霊性が下がると、ライオンをコントロールすることが出来ずにライオンに襲われてしまうのです・・・。
そんなエジプトでは「王の乗り物であったライオン」が「獰猛なネメアのライオン」になってしまったのは、エジプトからギリシャ・ローマへかけて霊性が堕ちてしまったからだ、と書いている方がいてなるほど!と思いました。
それで繋がったのですが。神智学などを読んでいると、パーソナリティがソウルに服従する(ある意味で犠牲になる)という考え方もあるように思います。ゾスマが意味するのは「可哀そうな犠牲」ではなくて「ソウルへの服従」や「大いなるもののための犠牲、奉仕」というケースもあるのではないか・・・と考えていました。そう考えると獅子座の持つ違う側面が見えてくるように感じます。
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<参考>
ブレイディ『ブレイディの恒星占星術』
松村潔『トランシット占星術』
藤井 旭『全天星座百科』