◆法改正や施策情報、助成金情報などを中心に、定期的に配信しています。
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1.テレワークへの対応方法を考える
2.母性健康管理措置による休暇取得支援助成金(創設)
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1.テレワークへの対応方法を考える
テレワークは、東日本大震災や政府が掲げる「一億総活躍社会」などから注目が集まった時期がありましたが、なかなか一枚岩となってテレワーク推進とはなっていませんでした。
また、テレワークは「特定業種における特殊な働き方」という認識にとどまり、本格的に普及していくのはもう少し先であろうと考えられていました。
そうした中、突然、新型コロナウイルス感染拡大が起こり、思いもよらずテレワークを導入せざるを得ない状況になっています。
在宅勤務(テレワーク)の実施の割合は、2月の5.3%から、3月に19.8%、4月に47.1%、5月には48.1%まで上昇しています。企業規模が大きいほど実施割合が高まり、5月において従業員100人未満の企業で35.9%、100~299人の企業で58.5%、300人以上の企業では81.4%が実施しています。
東京都などでは手厚い補助金などにより積極的テレワークを進めていますが、地方の実情はどうでしょうか。
企業により対応はまちまちですが、ひとまず出社せずに形ばかりの在宅勤務を行っている企業が多いのではないでしょうか。在宅勤務に必要な端末や環境は社員頼みで、時々行われるWeb会議は使える環境を持った社員のみが利用するなど、限られた範囲内で実施しているといった状況にあると思われます。
このような状況は、これまでテレワークの準備をしていなかった企業にとってはやむを得ないことでしょうし、感染拡大が収束すれば、「やれやれ大変だった」とまた元のスタイルに戻すことを考えているとも思われます。
テレワークを企業に浸透させるためには、何も就業規則や評価制度、セキュリティ等を完璧にやろうとする必要はありません。
最初はスモールステップでいいので、やれることから少しずつ進めるのが肝心な点です。
その第一歩は、Web会議です。
「使ったこともないWeb会議ツールで一体何をするのか」と構えてしまいがちですが、まず、課や係などの一緒に仕事をするチームで会議を設定し、全員に参加してもらうことが必要です。
開催を重ねるにつれて、Web上でのコミュニケーションにも慣れ、次第に話す内容も充実してくることでしょう。
次のステップは、テレワークでできる業務の切り出しです。
チームで案件を完遂するために行わなければならない作業を洗い出したうえで、リスト化し、その1つずつテレワークでできるものとできないものとに分類し、一覧表を作成します。
さらに、できないものについてはなぜできないのか、できるにはどうしたらよいのかを議論しながら、テレワークでできる業務を拡大していくことが有効です。
このように、テレワークの導入にあたっては、徐々に範囲を広げて導入していくことが重要でしょう。
2.母性健康管理措置による休暇取得支援助成金(創設)
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、働く妊婦の方は、職場環境の作業内容等によって、新型コロナウイルス感染症への感染について不安やストレスを抱える場合があります。
こうした場合に、特別の有給休暇を取得させた事業主に対して「母性健康管理措置による休暇取得支援助成金」が創設されました。
助成金の対象は、次のすべての条件を満たす事業主です。
令和2年5月7日から同年9月30日までの間に
①新型コルナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として、医師または助産師の指導により、
休業が必要とされたに妊娠中の女性労働者が取得できる有給の休暇制度(年次有給休暇を除き、
年次有給休暇の賃金相当額の6割以上が支払われるものに限る)を整備したこと
②当該有給休暇制度の内容を新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の内容とあわせ
て労働者に周知した事業主であること
③令和2年5月7日から令和3年1月31日までの間に、当該休暇を合計して5日以上取得させた事業主で
あること
助成内容は、対象労働者1人当たり、有給休暇計5日以上20日未満が25万円、以降20日ごとに15万円加算され、100万円が上限となります(1事業所20人まで)。
申請期間は、令和2年6月15日から令和3年2月28日までとなっており、雇用保険被保険者用と被保険者以外の方について、2種類の様式が用意されています。
実務的なポイントとしては、この休暇制度については就業規則における規定が要件となっていないため、既存の特別休暇に含まれることを明示し、労働者に周知することでも対象となります。
また、令和2年9月30日までに制度整備と周知を行えば、制度整備と周知が労働者の休暇取得後であっても対象となります
さらに、欠勤などを事後的にこの助成金の対象となる有給休暇に変更した場合でも、労働者本人に説明し、同意を得られれば対象となります。
このように、かなり柔軟な対応が認められていますので、妊娠中の女性労働者がいる事業所においては、ぜひ本助成金の活用を検討していただければと思います。
当事務所の顧客でも雇用調整助成金を活用して休業中の妊娠中の女性労働者がいる事業所があり、本助成金の助成額の方がかなり高かったことから、雇用調整助成金から本助成金へ申請を変更したことがあります。
厚生労働省リーフレット:
新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金をご活用ください
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