こんにちは!魔タリカ835歳、魂のR指定です!
最近、影でR指定の度合いを増しています。
いったいどこまで行くのでしょうか….。
潜っていけば行くほどに、光の届かない底の方が深くて見えない感じが、
人の闇を想起させます。
そんなことを考えていたら、やってきたジャン=レオン・ジェローム
という画家の描いたこの一枚の絵画です。
タイトルは「人類に恥をかかせるため井戸から出てくる真実」(1896)!
「真実は井戸の底に横たわっている」という、古代ギリシャの
哲学者デーモクリトスの言葉を下敷きにしているそうです。
ご本尊として祭壇にしつらえたいくらいに、
ものすごい勢いで私の心を鷲掴みにしてくれましたw
彼女の顔を見れば、メデューサにそっくりです。
ずいぶん前に少し書きましたが、メデューサの秘密には
いつも惹きつけられます。
確かに、真実は井戸の底(無意識の底)に横たわっていて、私たち凡人の
目からは完全に隠されています。
真実が井戸の底から出てきた時、人はそんな恥をかかされるぐらいなら
死んでしまいたいと思うことだってあります。
多くの人にとって、危なっかしい「真実」は、人知れずこっそりとしまって
おくほうが安全なようです。
「真実」はいつだって人を脅かして、不安な気持ちにさせるので、できれば
見ない方が、日々は平穏無事で、何事もなく過ぎ去っていく....ように
見えますが、そうは問屋が下すはずもなく、人生のどこかの時点で、
さまざまな姿をとって、必ず姿を現します。
この絵の「真実」の顔は歪んで恐ろしげだけど、身体はエロティックで、
美しく妖しげな魅力を漂わせており、この危険なほどの魅力に抗うことなど
誰もできないんじゃないかと思わせます。
そして、手に持った(魔女の)箒のようなスティックで、「真実」から目を
背ける者を打とうとしているかのようです。
自分は関わり合いにならないように、柱の陰に身を隠して「真実」から
逃げようとしても、彼女は夢の中まで追いかけてくるでしょう。
私にとってこの絵から立ち上ってくる香りは、歴史の中に葬られた闇、
人間の無意識の闇、欲望や恐怖、そこにある甘美なまでの美しさです。
人は、ほとんど誰でも、期せずして真実が露呈したり、告げられたり、
指摘を受けたりすれば、うろたえたり怒り出したり、悲しんだりする
ものですが、タオイストの性科学やタントラに触れた時に喚起される
「なにか」は、時々そんなものなんだと思います。
真実は井戸の底に横たわっているけど、同時に私たち人間も、
「生命」という文脈において「真実」なのだと言うことができます。
井の中の蛙という「真実・生命」が外に出れば、明るく光に満ちた世界に
びっくりしちゃうでしょう。
結局ね、「真実」しか、人を癒せないのだと思います。
ちょっと思い返してみてください。自分が最近した「過剰な反応」
について。なんであんなに怒っちゃったのかわからない、とか、すごく胸が
ざわついてうろたえたこと、とかね。全部とは言わないまでも、そこには
自分が見ていなかった真実の一片が含まれていたのかもしれません。
それを明るみに出すのは、結構な痛みを伴なうこともあるけれど、
決定的な人生の方向転換をするための「種」を見つけられると思うのです。
Love♡
Tarika