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1.無期転換社員用の就業規則
2.65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)
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1.無期転換社員用の就業規則
来年4月以降、雇用期間が5年を超えた有期契約労働者の無期転換申込権が発生することになりますが、無期転換社員用の就業規則は必ずしも作成しなければならないものではなく、従来の有期労働契約社員用の就業規則を適用する形でも構いません。
しかし、その際には、無期転換社員に対してどの就業規則が適用されるのかという疑義が生じることを避けるため、無期転換後も従来の有期雇用の就業規則が適用されることを明示しておく必要があります。
また、無期転換後の労働条件を有期の時とまったく同じにするとしても、有期ではなく無期になったことにより期間満了という労働契約終了事由がなくなりますので、新たに定年の規定を設ける必要があります。
これを設けないと無期転換社員には定年がないこととなり、辞職、解雇、合意退職がない限り、無期転換社員を一生雇い続けることになりかねません。
最期に非常に大事な点ですが、上記の規定変更は、無期転換申込権が発生する前に行う必要があります。
その理由は、無期転換申込権発生後の規定変更(新設)には、労働契約法10条の類推適用があるとされているからであり、そのような高いハードルが発生する前に規定変更を行う必要があるのです。
対応のタイミングは刻一刻と近づいていますので、もし、無期転換社員用の就業規則について、未対応の事業所があれば、即刻対応を始める必要があります。
【規定例】
第●条(契約社員の定義)
1 本規則でいう契約社員とは、雇用の期間を定めて会社に雇用された者をいう。
2 前項の定めにかかわらず、契約社員と会社との雇用契約が労働契約法18条の定めにより期間の定めのな いものに転換された場合でも、引き続き本規則を適用する。
第●条(無期転換後の定年)
1 労働契約法18条の定めにより期間の定めのない雇用契約に転換した契約社員の定年は満60歳とし、満60歳の誕生日の属する月の末日をもって当然退職とする。ただし、定年退職者が希望し、本規則に定める解雇事由・退職事由に該当しない者については、再雇用社員として再雇用する。
2 再雇用社員の労働条件等については、「定年後再雇用制度規定」による。
2.65歳超雇用推進助成金(高年齢者雇用環境整備コース)
この助成金は、高年齢者の雇用環境整備の措置を実施した事業主に対して、国の予算の範囲内で支給るもので、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が窓口となっています。
高年齢者の雇用環境整備の措置の内容は、以下のようなものとなっています。
(1)機械設備、作業方法、作業環境の導入・改善
(2)雇用管理制度の導入・見直しおよび高年齢者に対する健康管理制度の導入
①高年齢者の意欲および能力に応じた勤務が可能となる賃金制度・能力評価制度の導入
②高年齢者の希望に応じた勤務が可能となる労働時間制度の導入
③高年齢者の負担を軽減するための在宅勤務制度の導入
④高年齢者が意欲と能力を発揮して働けるために必要となる知識を付与するための研修制度の導入
⑤高年齢者向けの専門職制度等、高年齢者に適切な役割を付与する制度の導入
⑥法定の健康診断以外の健康管理制度(人間ドックまたは生活習慣病予防検診)の導入
⑦その他、高年齢者の雇用の機会の増大のために必要な高年齢者の雇用管理制度の導入
助成金の支給額は、高年齢者雇用環境整備措置の実施に要した経費の60%の額と、当該措置の対象となる1年以上継続雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者1人つき28万5千円を乗じた額の、いずれか低い額となっています。なお、生産性要件を満たす場合は、上記の数字がそれぞれ75%、36万円となります。
申請手続きは、雇用環境整備計画書を計画の開始日から起算して6カ月前の日から3カ月前の日までに提出したうえで、措置を実施し、計画実施期間の終了日の翌日から起算して2カ月以内に支給申請する流れになります。
同一の事由による助成金は、労働局が窓口となる「職場意識改善助成金」や「職場定着支援助成金」などがありますが、併給制限されますので、内容によりいずれか有利な方を選択することになります。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
「65歳雇用推進助成金(高年齢者雇用環境整備コース)」リーフレット
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