◆法改正や施策情報、助成金情報などを中心に、定期的に配信しています。
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1.介護離職と介護支援取組助成金
2.がん治療と就労の両立
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1.介護離職と介護支援取組助成金
家族介護のため休業する、あるいは退職する社員が増えています。
こうした中、育児・介護休業法の改正により、平成29年1月から介護休業を分割取得することが可能となります。
現在、対象家族1人に最長93日の休業を取れますが、同じ介護状態で変化がなければ1回のみの取得に限られています。休業を1回取ればその後は介護状態に変化がなければ日数に残りがあっても休業を取ることができませんでした。
今回の改正で、介護状態に変化がなくとも最長93日の休みを2~3回に分けて取得できるようになります。
このような改正に加え、今年度新設された介護支援取組助成金は、仕事と介護を両立できる職場作りをさらに進めるために、「介護離職を予防するための両立支援対応モデル」基づき、以下のすべての取組みを実施した場合に支給されるものです。
支給額は、1企業1回のみの60万円となっています。
1.仕事と介護の両立に関する実態調査(アンケート調査)
2.制度設計・見直し
3.介護に直面する前の労働者への支援(社内研修・制度周知)
4.介護に直面した労働者への支援(相談窓口の設置・周知)
5.働き方改革
今後、介護休業の問題は、どの企業でも増えることは間違いありません。
介護離職で有能な人材を失うことのないよう社内規定等を整備し、仕事と介護が両立できる環境を作り、社員にそのメッセージを発信することは重要であるといえます。
厚生労働省「介護支援取組助成金の見直しについて」
2.がん治療と就労の両立
働く世代のがん患者が増えています。
生涯のうちに日本人の2人に1人ががんに罹患し、年間約85万人が新たにがんと診断され、そのうち約3割が就労世代といわれています。
がんの5年間相対生存率は向上し(平成5~8年53.2%➞平成15~17年58.6%)、仕事を持ちながら、がんで通院している人は32.5万人となっています。
特に、女性とシニアの労働人口が増え続け、全体の5割を占めていることから、今後女性のがんサバイバー(特に乳がん)と60代のがんサバイバーの就労支援がより重要になってきています。
しかしながら、大企業に比べ、中小企業ではがん社員に対応した経験が少なく、また私傷病休暇も約3ヶ月と、復職までの十分な病休期間を確保していないことから、退職を余儀なくされるケースが多くみられます。
がん患者がフルタイムで復職までに要する療養期間は、がんの種類ごとに大きく異なりますが、がん全体で約6ヶ月半、短時間勤務での復職であれば約2ヶ月半が平均です。
私傷病休暇が3カ月では、復職率の向上は望めません。
厚生労働省の「事業場における、治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」(2016年2月)では、治療と職業生活の両立支援を行うための環境整備として、以下の事項を示しています。
1.労働者や管理者に対する研修などによる意識啓発
2.労働者が安心して相談・申出を行える相談窓口の明確化
3.時間単位の休暇制度、時差出勤制度などの検討・導入
4.主治医に対して業務内容などを提供するための様式や、主治医から就業上の措置などに関する
意見を求めるための様式を整備
病気で、仕事を休まざるを得なくなる可能性は誰にでもあります。
社員ががんになって一時的に療養しても安心して復帰できる取組みが企業に求められているといえます。
厚生労働省「事業場における、治療と職業生活の両立のためのガイドライン」(2016年2月)
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