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1.女性活躍加速化助成金
2.長時間労働の是正
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1.女性活躍加速化助成金
平成27年8月に成立した「女性活躍推進法」を促進するため、女性が活躍しやすい職場環境の整備等に取り組む事業主や、その取組の結果当該数値目標を達成した事業主に対して支給される助成金です。
現在、都道府県労働局でもキャリア形成、キャリアアップ助成金と並んで申請の受付件数が最も多い助成金となっています。
申請にあたっては、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定することが必要です。
この行動計画には、計画期間、数値目標、数値目標の達成に向けた取組目標、取組実施時期の記載があることと、長時間労働の是正等の働き方改革に関する取組みについて盛り込まれていることが必要です。
支給額は、一般事業主行動計画の数値目標に向けた取組みを実施し、取組み目標の達成時に30万円、さらに数値目標の達成時に30万円となっています。
数値目標は、自社の状況把握・課題分析に基づき、男性と比べて女性の活躍に課題がある場合に、その課題を解決するために数値目標を設定するものです。
従業員の少ない事業所は、採用における女性の状況、階層別の男女の状況、管理職の占める女性の状況など、状況把握が難しい、あるいはそもそも女性従業員がいないといったこともあるかと思います。
その場合、新たに女性を配置しようとする職場のハード面での整備(女性用更衣室・トイレ等の設置)を行っても、取組目標の支給申請を行うことができます。
数値目標についても、自社の実態に即した柔軟な設定が可能なことから、比較的取組みやすく、女性が活躍しやすい職場環境を整備しようと考えている事業主の方は、この助成金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
厚生労働省「女性活躍加速化助成金」
2.長時間労働の是正
安倍内閣の政府の方針として、「働き方改革」が強調されています。
その目玉は、3つあり、第1は、同一労働同一賃金、第2は、長時間労働の是正、第3は、高齢者の就労促進です。
このうち、長時間労働の是正については、政府が今年6月にまとめた「ニッポン一億総活躍プラン」の中で、次のように述べられています。
「長時間労働は、仕事と子育てなどの家庭生活の両立を困難にし、少子化の原因や、女性のキャリア形成を阻む原因、男性の家庭参画を阻む原因となっている。戦後の高度経済成長期以来浸透してきた『睡眠時が少ないことを自慢し、超多忙なことが生産的だ』といった価値観が、この3年間で変わり始めている。長時間労働の是正は、労働の質を高めることにより、多様なライフスタイルを可能にし、ひいては生産性の向上につながる。今こそ、長時間労働の是正に向けて背中を押していくことが重要である。~以下略。」
この中で、若者を中心に長時間労働を嫌う傾向がみられてきていることや長時間労働の削減は労働生産性の向上に寄与することに言及していることが注目されます。
また、時間外労働に関する協定、いわゆる36協定の在り方についても再検討を開始することが述べられています。
36協定は、労使協定と労働基準監督署への届出により、1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて労働させることができるものですが、「労働時間の延長の限度等に関する基準(労働省告示)」により、限度時間は1ヶ月45時間、3ヶ月120時間、1年360時間などとなっています。
しかしながら、臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情が予想される場合、特別条項付きの三六協定を締結すれば、限度を超える労働時間の延長ができます。
ここで問題となるのは、特別条項付きの三六協定は、限度を超えて時間外労働させることができるということが明らかなだけで、どこまで働かせてよいのかの上限が存在していないことです。
労働省告示では、延長することができる労働時間数をできるだけ短くするよう努力義務が定められているだけです。
ただし、時間外労働をさせた場合は、通常の労働時間の2割5分以上の割増賃金を支払い、1ヶ月で60時間を超えた場合には、その超えた時間の労働については5割以上の割増率を支払うことになっています。
また、その5割以上の割増賃金に代えて、有給休暇(代替休暇)を与えることもできます。
今後、長時間労働の是正に関する議論の中で、こうした36協定の在り方についての行方にも注目されます。
「ニッポン一億総活躍プラン」(平成 28 年6月2日 閣議決定)
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